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太智とラストの目の前の船の上に、一人の小さな少年が寝転んで、こちらを見ていた。
スロース「お久しぶりでーす…。でもラストさん…こんなとこで何やってるんですー…?」
ラスト「スロース…貴様には関係ないじゃろ…?」
スロース「関係なくはないですよー…?そこにいるの、勇者ですよねー…?」
太智「な、何だお前!俺たちに何したんだ?!」
スロース「あぁー…、君たち疲れてるかなーって思ってー…、その体を"怠けさせてあげた"んだよー…」
彼は怠惰を司る七つの大罪の一つ、スロース。
その能力は、人間のあらゆる行動を怠けさせ、機能できなくさせる。
これにより、瑞生の命を一度は奪ったのだ。
ラスト「ふざけた真似を…」
スロース「勇者にはすでに僕らの仲間二人をやられてますからねー…。僕も勇者側を一人やったはずなのにー…、いつのまにか生き返ってるしー…」
太智「なるほど、お前か…。瑞生を散々可愛がってくれたって奴は…!」
スロース「まぁ、今はどうでもいいんだけどー…。それよりラストさん…、そこの勇者をどうするつもりですー…?まさか、まさか、一緒に逃げるつもりじゃないですよねー…?」
ラスト「いつも面倒くさがりで、怠けておるくせに、今回はやけに出しゃばるではないか…」
スロース「そうですねー…。珍しく、やるき出しちゃってますねー僕ー…。だってこうすれば、プライドさん喜んでくれそうですしー…。たまには頑張らないとー…」
ラスト「おーっほっほっほ…。笑わせよる…。あやつはこんなことで喜ぶかの?」
スロース「…。ちょっとプライドさんのお気に入りだからって、調子に乗ってるんじゃないですかー…?だから僕、あなたのこと嫌いだったんですよねー…」
ラスト「ほう、ちょうど良かった。わらわも貴様のことが、昔から大嫌いだったんじゃ」
スロースの眉毛がピクリと動いた。
スロース「まさか、こんな短期間で二人に同じこと言われるなんてー…、傷つくなー…」
太智「勝手に話進めるなよ…!お前、俺たちをどうするつもりだ!」
スロース「うーん…。まぁ、僕はこれ以上どうもしないよー…。面倒くさいしー…。どうにかするのは…ほら、来たよー…」
そう言うと、スロースは階段の方を指さした。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時