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ラスト「…」
シリマル「ラスト、ドウシタノ？カオイロ、ワルイ」
うつむくラストの背後にシリマルがコロコロと転がりながら近づいてきた。
ラスト「グリードか…。わらわにはよく分からぬ…。わらわの気持ちが、自分で分からぬのじゃ…。なんなのじゃこの気持ちは…！教えてくれグリード！」
シリマル「シリタイ！シリタイ！ラストノキモチ！」
シリマルの両目が色とりどりに輝き、ピピピというけたたましい音が鳴り響く。
シリマル「ラストノ、ソノキモチ、ソレハ、××××」
ラスト「？！」
その時、ラストは何か異変を感じて振り返った。
ラスト「なんじゃこの香り…」
どこからか、甘くいい香りが漂ってきた。
ラストは、その香りに誘われるようにふらふらと歩きだす。
ラスト「し、思考がまとまらぬ…。も、もっとこの香りを…」
この香りをかいでいたら、頭の中が空っぽになって、何も考えられなくなっていく。
ただ、この香りをずっとかいでいたい。
そんな気持ちだけが膨れ上がっていく。
そして、ラストは香りの元を辿るように扉を開け、地下へ降りていく。
香りは徐々に強くなり、ラストはある場所へたどり着いた。
そこは、地下牢獄。
ラスト(ここには確か、あのリュウビとかいう子供を閉じ込めておいたはず)
ラストは牢屋の中を覗いてみた。
手足と口を縛られた琉弥がピクリとも動かず、横たわっている。
このいい香りは、琉弥の方から漂っている。
早くこの香りをどうにかしないと、頭がどうにかなってしまいそうだ。
ラスト「死んでおるのか…？」
ラストは牢屋の鍵を開けると、中に入り、琉弥の顔を覗き込んだ。
その時―
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月9日 17時
