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太智「そ、それより、さっき久しぶりに俺の仲間に会ったんです…、会ったんだ！」
ラスト「ほう、そうなのか。良かったではないか」
太智「うん…。でもその一人が、七つの大罪っていう悪者に攫われちゃったらしいんだ。俺、許せない…。大事な仲間を…。ラストさんも気を付けてね？なんかこの辺に隠れてるらしいから」
ラスト「…」
ラストは、手に持っていたナイフとフォークをそっとテーブルに置いた。
ラスト「なるほど、そういうことか」
太智「ど、どうしたの？」
ラスト「そなた、そう言えば勇者じゃったな。その仲間も勇者なのか？」
太智「そうだよ。魔王を一緒に倒した、大事な仲間なんだ！」
ラスト「おーっほっほっほ！そうか、そうやってわらわに近づき、情報を得ようということだったか。なんとも卑劣な！」
ラストは立ち上がると怒りをあらわにし出した。
太智「え？！どういうこと？！情報って何？！」
ラスト「それがそなたら勇者の狙いであろう？すっかり絆されるところじゃったわ」
太智「ラストさんが何言ってるのか、俺わからないよ！」
ラスト「まだ、とぼけるつもりか？わらわが七つの大罪の一人、ラスト＜色欲＞。そして、そなたの仲間を攫ったんじゃ。まぁ、厳密には攫ったつもりはないが、その情報をわらわから聞き出そうとして近づいてきたんじゃろうが？」
太智「え…？！そ、そんな…ラストさんが…、七つの大罪…？」
ラスト「もうよい、こんな茶番には付き合ってられん」
そう言うとラストは部屋から出ていった。
その後を複雑な表情で太智も追いかける。
そしてラストは城の入り口である大扉を開いた。
ラスト「愚かなる人間どもよ！全員わらわに仕えることを許そう」
「なんだなんだ？」
「ラスト様だわ！」
「ラスト姫様ー！」
東の楽園の人々が、一斉に城に目を向ける。
もちろん、この楽園に到着した勇者達にも、その光景がはっきりと確認できた。
仁人「な、なんだ？急に皆どうしたんだ？」
舜太「あのお城、誰かおるで？」
柔太朗「姫、とか言われていたな」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月9日 17時
