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仁人「瑞生ー?!」
仁人は、自分の手を見てみた。
さっきまで瑞生がつかんでいたと思っていた自分の手には、木の枝が巻き付いている。
仁人「こ、これは…?!そうか…また私は幻を…」
黄泉の霊峰を彷徨うたくさんの死者の魂は、仲間を求めて漂っている。
きっとあのまま、あの瑞生に手を引かれて付いて行っていたら、二度とこちらへは戻ってこられなかっただろう。
そう思うと、仁人は身震いした。
再び水晶玉が光り出すと、今度は別の方向を照らし出す。
そこには、植物の弦が幾重にも絡みついて座り込んでいる柔太朗の姿があった。
仁人「柔太朗?!」
柔太朗「…!こ、これは…?!」
仁人「どうやら、また幻を見ていたらしい…」
柔太朗「そ、そうか…」
仁人「でも、瑞生がまた、私たちを助けてくれたんだ…」
今はもう輝きを失い、黒ずんだ水晶玉を見つめながら、仁人はつぶやいた。
その時、その黒ずんだ水晶玉に、何かが反射して見えた気がした。
仁人は振り返り、反射したほうを見つめる。
すると、遠くの方で光り輝くものが見えた。
仁人「あ、あれは…!」
仁人は駆け出す。
柔太朗もその後を追う。
そして、そこで二人が見つけたものは―
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月22日 18時