今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:9,274 hit
小｜中｜大
ページ ページ30
柔太朗「そんな…今確かに…」
仁人「…」
先ほど、柔太朗が作り出した氷の鏡に、仁人と柔太朗の姿が反射して見える。
仁人「っ…！」
柔太朗「仁人…？どうかしたのか？」
仁人は、徐に魔王に近づいていく。
柔太朗「仁人？！危険だ、下がれ！！」
しかし、柔太朗の制止も聞かず、仁人は魔王の目の前まで歩みを止めない。
そして、仁人の体は魔王の体をすり抜けた。
柔太朗「なっ…、どういうことだ…？！」
仁人「私たちは、幻と戦っていたんだ」
柔太朗「幻？」
仁人「柔太朗の作り出した氷の鏡に、こいつらの姿は"映っていない"んだ」
柔太朗は、自分が作った氷の鏡を覗き込む。
自分の姿、そして仁人の姿。
それ以外は周りの木々が映りこんでいるだけ。
自分たちが今、対峙している魔王や四天王の姿は確かにどこにも映っていない。
柔太朗「そんな…」
ここは黄泉の霊峰。
死者の魂が最後に辿り着く場所。
それは、魔物や魔王とて例外ではない。
仁人「こいつらは、黄泉の霊峰が見せる、実体のないただの幻だ…！」
柔太朗「幻なら、倒しようもないということか…」
仁人「あぁ…。相手にしても、こちらが消耗していくだけだ。先を急ごう」
仁人は魔王の体をすり抜け、歩いていく。
やがて、魔王や四天王の姿はどこかへ消えてしまった。
―
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2019年8月22日 18時
