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柔太朗「確か…絶望…だったかな?」
仁人「そうだな。確かに"絶望"や"悲しみ"といった花言葉が一般的だが、あの花にはもっとたくさんの花言葉が存在している」
柔太朗「へえ、例えば?」
仁人「マリーゴールド。オレンジに輝くその花には、"命の輝き"、"予言"、そして、"勇者"という花言葉が存在する」
柔太朗「なるほど、確かに瑞生っぽいな」
仁人は瑞生の持っていた水晶玉を取り出した。
瑞生が持っていた時は、美しい茜色をしていたが、今はただの黒ずんだ水晶玉。
この水晶玉の中で、瑞生は永遠の眠りについたままになっている。
柔太朗「必ず見つけよう。命のマリーゴールド…」
仁人「あぁ…!」
その時、柔太朗は森の奥で何かの気配を感じて振り返った。
柔太朗は、人でないものの気配を感じとる、所謂第六感というものがよく働く。
仁人「どうした柔太朗?」
柔太朗「いや…、俺たちの周り…何かに囲まれている…」
仁人「!」
仁人も、その言葉でゆっくりと柔太朗と背中合わせに立った。
柔太朗「来るぞ…!」
瞬間、二人の前に五つの影が飛び出し、攻撃を仕掛けてきた。
柔太朗「はぁ!!」
その攻撃は、柔太朗の作り出した氷の壁に阻まれる。
仁人「一体何者だ!正体を見せろ!チェスト!!」
仁人の放つ眩い光によって辺りが照らされ、五つの影の姿が露わになった。
仁人「なっ!?お前たちは…!!」
そこにいたのは、かつて仁人たち七人の勇者が倒したはずの―。
柔太朗「魔王…!それに四天王まで…」
仁人「なぜお前たちが…?!」
黒いマントを羽織り、圧倒的なオーラを放つ魔王。
カマキリのような姿をし、魔物を無数に生み出すことのできる卵嚢四天王。
機械の体を持った、カラクリ四天王。
土竜のような鋭い爪と、顔を地面から覗かせる穴掘り四天王。
そして、ピエロのような恰好をした道化四天王。
彼らは、あの時の姿のまま、仁人と柔太朗を取り囲んだ。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月22日 18時