M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part2 (ページ3)

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もう駄目かと、仁人は目を瞑ったが、いつまでたってもラースの拳は襲ってこない。
目を開けて見てみると、ラースの拳は、仁人の蟀谷に触れるか触れないかの位置で制止していた。

ラース「ん？！どうなってやがる、これは…？！」

ラースは苛ついたようにそう言うと、自分の体を見下ろした。
その下半身は凍り付き、地面に固定されている。

仁人「こ、この力は…」

「手助けは不要だったか？」

そう言って、白銀のローブを羽織った人物が彼らの前に現れた。

仁人「じゅ…柔太朗！！」

舜太「柔様や！」

勇斗「白馬の王子！！」

琉弥「百点百点！！」

柔太朗「琉弥、俺はまだ何も言ってない」

ラース「あぁあん？新しい仲間か？」

柔太朗と呼ばれたその人物は、白い冷気を纏っており、そのローブの色は以前よりも白みが増し、雪のように光を反射してキラキラと美しく輝いていた。

柔太朗「こいつ何者だ？魔物…ではなさそうだが」

仁人「詳しいことは省くが、私たちはこいつとその仲間を倒すため旅をしてる途中だ！柔太朗も力を貸してくれ！」

柔太朗「へえ…まぁそう言うことなら」

ラース「ふん、何人増えても俺は構わないぜ！！」

そう言うとラースは自力で氷を壊し、五人になった勇者と距離をとる。

ラース「まずはそこのお前、俺は気障(きざ)な奴が気に入らねえ。俺と差しで勝負だ」

柔太朗「ふん、いいだろう」

勇斗「おい柔太朗！七つの大罪はそんな甘くない！皆で戦―」

柔太朗「見くびってもらっちゃ困るな。もう前の俺じゃない…。仲間を守ることぐらい、今の俺にならできるさ」

そういうと柔太朗は四人に背を向けると、ラースの方へ駆けだした。