M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part2 (ページ1)

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第三章ページ1

黄泉の霊峰。
そこは、死者の魂が集まり、その魂が再びどこかで生まれ変わるのを導く、輪廻転生を司る場所であるとされている。

仁人「不思議な場所だ…」

西の都の森を出発して三日経ち、勇者達は霊峰の麓をゆっくりと進んでいた。
辺りは薄い靄が立ち込め、ひんやりと冷たい空気が張り詰めている。
そして、自分たちが歩く音以外、一切の音が聞こえない。

琉弥「ここに、命のマリーゴールドが…」

そうつぶやく琉弥の後ろには、白くて小さな球がコロコロと付いてくる。
西の都で、どこかへ消えていったシリマルは、西の都の森を出ようとしたところで、白い花を食べていたところを琉弥が発見していた。
何故いなくなったのか、琉弥がシリマルに尋ねたところ、"ただの散歩"ということだった。

シリマル「リュウビ、リュウビ！」

シリマルの呼びかけで琉弥が振り向くと、シリマルは勢いよく飛びあがって琉弥の胸に飛び込んだ。

琉弥「あはは！くすぐったいよ！どうしたの？」

シリマル「シリマル、ネムイ…」

琉弥「今日は一杯歩いたから疲れちゃったのかな？今日もこの中で眠る？」

琉弥はしゃがみ込むと、自分の背中袋を広げてみせた。

シリマル「ウン！ソノナカ、オチツク！」

琉弥「よしっ、じゃあ、おやすみ」

シリマル「オヤスミー」

シリマルはそう言うと、ただの白い球になって眠ってしまった。
琉弥はシリマルを優しく掴むと、背負っていた背中袋にシリマルをそっと詰め込んだ。

舜太「ホンマに仲良しさんやね」

琉弥「うん。シリマルは俺の一番の友達なんだっ！」