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シリマル「リュウビ!リュウビ!」
琉弥「そうそう!今日から友達だね、シリマル!」
シリマル「トモダチ?リュウビ、トモダチ!!リュウビ、ヤサシイ!トモダチ!」
シリマルと名付けられたその球は、琉弥の体にその白い体を摺り寄せる。
琉弥「あはは!可愛い奴!」
シリマル「リュウビノコト、シリタイ!モット!シリタイ!」
そう言うと、シリマルは琉弥の周りをぐるぐると回り始めた。
琉弥「なに?どうしたの?」
やがて琉弥の前でピタッと動きを止めると、黒い眼のような部分がいろいろな色に点滅しだし、ピコピコと奇妙な音が鳴り響きだした。
琉弥「うわ!どうなってんの…?お前、変な鳴き声出すんだね…」
シリマル「リュウビ!勇者!リュウビ!魔王タオシタ!」
琉弥「え?!何で知ってるの?!」
シリマル「リュウビ!ドクノ、センモンカ!トッテモツヨーイ!」
琉弥「すっごい!お前何でもわかるんだねー!」
シリマル「アッ!勇者ノナカマ、キタ!」
シリマルはそう言うと、琉弥とは反対の方を向いた。
琉弥「どうしたの?」
シリマル「勇者ノナカマ、キタ!」
琉弥「え?勇者の仲間?」
シリマル「コッチ!コッチ!」
シリマルはピョンピョンと跳ねながら森の中を進んでいった。
その後を琉弥も追いかける。
琉弥「待ってよ!」
シリマルは、やがて森を抜け、馬車道に飛び出した。
道の向こうから、誰かが走ってくるのが見える。
シリマル「勇者!ナカマ!」
琉弥「え?…あ!あれは!!」
琉弥は見覚えのあるその顔を見つけると、笑顔で手を振った。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月5日 16時