第一章 ページ11
とある村。
「お団子、
甘味処の看板が下がった建物の下で、一人の少年が元気な笑顔と声で、客引きをしていた。
村人「舜ちゃん、いつも元気やね〜。おばちゃんにお饅頭三つ、くれはる?」
「毎度あり〜!おばちゃん美人やから、お団子もサービスで付けとくな!」
村人「あら、いややわ〜、美人やなんて〜!うふふ!また明日もきちゃうわね、これは」
「ありがとう!」
すると、店内で騒音がしたかと思うと、一人の男が店の入り口から走って出ていった。
「食い逃げや!!誰か捕まえてくれー!」
店主の声が、外まで響き渡る。
「食い逃げ!?あのおっちゃんか!」
そう言うと、少年は店から出ていった男を追って駆け出した。
「待ちや!こーなったら、君のハートに!ボレーシュート!!」
少年は持っていたボールを、逃げる男の後頭部めがけて蹴り飛ばす。
そして、そのボールは見事男の後頭部に命中し、男はその場で倒れこんだ。
「捕まえた!食い逃げなんかしたらあかんやろ!」
おっちゃん「あ痛たた…。え?く、食い逃げ?俺が?」
「そうや。え?ちゃうん?」
おっちゃん「い、いやわからん…。そうなんか?ほんまか?」
「え?た、多分」
おっちゃん「す、すまん!なんか、気がついたら逃げとったんや…お代は払うから勘弁してや…」
「ま、まぁ…おっちゃんいつも優しいからな〜。こんなことするとは思えんけど、反省してるんやったらええよ。でも次は絶対したらあかんで?」
おっちゃん「あぁ…ホンマすまんな、舜太君」
そう言って男は少年に金を渡すと、トボトボと帰っていった。
―
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:milkssss | 作成日時:2019年8月5日 16時