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「あのチョーきれいなお母さんダレ!?」

「えっ、えっ。モデルさんみたいじゃん!」


授業参観のたびに、クラスの皆が私のお母さんを見て驚いた。

すこーし天狗になって、
私のお母さんだよっ!と言うと皆もっと驚いた顔をする。


「えぇー!!マジか!うらやましー…」

「親子そろって美人さんですなぁ」

ちょこっと照れくさいけど、嬉しかった。

そうだ。
お母さんは、毎年忙しい仕事を休みにしてまで、授業参観に来てくれた。


でも、今は。


「私なんかより、そのスマホが大事なんでしょう?」

スマホを見ながら、イヤホンをしているお母さんにはこの言葉は届かないのだろう。


ジャジャーァーン…


激しいギターのおとがイヤホンから、漏れて聞こえた。


「何で?……昔のお母さんに戻ってよっ!」


聞こえない。届かない。

無意味な言葉を吐いた。


お母さんの眼がスマホから離れることはない。

「ひっく…っうぇ…」

頬を冷たい大きな涙が伝う。


泣いたって、慰めてくれる人もいないのに。

お母さんは、私の顔すら、見てくれない。


そんな小さな液晶の奥に何があるって言うの?


スマホなんて、いいから



私を見てよ。



ねぇ。

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作者名:ももか | 作成日時:2016年1月6日 20時

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