検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:5,563 hit

六輪 ページ7

あ「失礼します。」
ガチャリとドアを開け、最低限相手に聞こえる声量で一言。
生徒会長のテラゾーさんを筆頭に、
既に生徒会のメンバーがそれぞれ席に着いていた。
と思ったら、私の席以外でもう一席空いている。
あ「あれ、うばまろ君は?」
や「来てるよ。今は別の仕事をやって貰ってる所。」
顧問のやんわり先生が、私の問い掛けに答えてくれた。
「これで全員が揃いましたね。」
クールな雰囲気を身に纏った風紀委員の女の子が、呟く様にそう言った。
私の隣の席の会計、ぽず君が眠そうに欠伸をする。
椅子を引いて、その近くの机の脚に鞄を立て掛けて着席する。
同時にうばまろ君も、人数分の資料を持って自分の席に戻ってきた。
う「お、ALTO君!ぐっどいぶにーん。」
あ「バリエーションあるんや、その挨拶。」
そのバージョンは初めて聞いたけどな。
や「じゃあ全員集まったので、二学期最初の活動を始めます。
うばまろ君、資料を皆に回して。」
そしてやんわり先生が、生徒会活動の始まりを宣言した。

急ピッチで刷ったらしい数枚の資料には、
二学期中の活動内容について書かれていた。
近い日付の行事やイベント、祝日等の休みの日。
確認した後、一番最後に配られた紙を見る。
中央から下にかけて
黒くて太めの線で四角の形に縁取られたその紙の上部には
名前を書く欄と、二学期中にどんな事を
やりたいかを問い掛ける文章が書かれている。
やりたい事って言っても、書記の私からしたら
文章が上手くなりたいとか、
正確に聞き取って書ける様に練習したいとか、
そういった事しか出てこない。
頭の中で思考回路を繋げていると、ぽず君が話し掛けてきた。
ぽ「ALTO君。何書くか決まった?」
あ「ありきたりなやつしか出てこなかったばい。
ぽず君は?」
ぽ「ぼくも簡単なやつしか浮かばないよ。
計算間違えません様に、とか。」
あ「小学生の七夕の願い事みたいやな。」
そうは言っても、頭の良いぽず君が
計算を間違える所なんか見た事無いんやけど。
ぽ「む。やっぱ止めとく。違うのにする。」
そう言って彼は、四角の中にシャーペンを躍らせた。
私も早く、何か書かんとな。

どうにか四角の中を埋め、紙を先生に回す。
名前もちゃんと書いたけん、返される事は無いやろ。
や「次は、一番近い行事の水泳大会について軽く説明します。
資料の八月の欄を見て下さい。」
先生の説明に従い、資料を見る。
そうか。もうそんな時期か。
夏休みが明けたすぐ後にプールってのも、変な話やな。

七輪→←五輪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。