花を挿し終えたら。 ページ48
時が流れ、時刻は七時前。
当初の予想以上に会議が長引いてしまった。
お疲れちゃんと声を掛け、生徒会室を出る。
流石に帰っとるやろなあ。
一応購買に寄ってみると、リナと稲野ちゃんが待っとってくれていた。
『アルトー!』
あ「わっと…!ごめんね、遅うなって。」
稲「コイツ、ALTO君の事見るまで煩かったんだぞ。」
あ「そっか、ごめんね。じゃあ帰ろか。」
二人の返事を聞き、隣同士に並んで歩き出した。
稲「じゃあ、俺はここで。」
あ「うん。またね。」
『イナノ、Bye Bye!』
稲「バイバイ。」
やがて稲野ちゃんと別れ、リナと二人きりになる。
歩いとる内に私の家が近付くが、敢えてスルーする。
『お家、帰らなくて良いノ?』
あ「別に良かよ。女の子を送るんが先ばい。」
七時は回っとるやろうこんな暗い時間に、
女の子を一人で歩いて帰らす訳にはいかん。
『…アリガト。』
あ「…こんなん、当たり前やろ。」
握られた手が汗ばみ、顔にも熱が篭っていく。
いつの間にか、指を絡め合う恋人繋ぎに変わっとった。
彼女が、変えたんか。
『アルト。ガッコ、明日はお休みだよネ?』
あ「そうやね。それがどうかしたん?」
『Rendez-vous、しヨ?』
あ「ランデブーって…、デートの事?」
『Oui!』
明日は土曜日。確かに、時間はある。
あ「うん、良かよ。デート行こか。」
『ホントニ!?ヤッター!』
あ「どこに行くとか決めとるん?」
『決めてナイ!』
やろうと思った。
あ「じゃあ、ここから電車で行った所に
遊園地があるけん。そこ行こか。」
『ユウエンチ?』
あ「うん。茉莉花スターランドって所。」
『行きタイ!そこにスル!』
前もって稲野ちゃん誘って、下見に行っといて良かった。
彼にはそれ位一人で行けって言われたけど、
あんな人が多い所に一人で行ける程根性座っとらん。
そして、彼女の家の前に着く。
手を離そうとして、更に強く握られた。
あ「リナ、家入れんよ?」
『この方が、アルトと一緒にいられるから良イ。』
あ「明日も会う約束、したばっかりやろ。」
説得し、手を離して貰う。
離れた隙に、彼女に抱き締められた。
『…このまま、くっ付いちゃえば良いノニ。』
可愛過ぎるやろこの娘。
あ「気持ちは分からんでもないけど、早よ入らな心配されるばい。」
『じゃあ、baiserしテ?』
あ「…良かよ。じっとしてな。」
こんな風に、アンタと一緒に良い思い出が作れたら良かね。
やけん、ずっと一緒におってな、リナ。
…この締め、何か私っぽくなかね。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
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