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十四輪 ページ15

悲鳴を上げながらもがくリナを助ける為、
立ち上がってそちらに行く。
稲野ちゃんもプールから上がって後を付いてきた。
何で皆、見てるだけなんよ?
自分の友達やなかったら助けんでも良いって思ってるんか?
女子の腕を掴み、リナから引き離す。
稲野ちゃんはもう一度プールに入り、女子らからリナを離した。
『けほっけほっ…。』
彼はオーバーフローの方に彼女を向け、その背中を撫でる。
辛そうに息を整える彼女を、私は見ていられなかった。
実行犯の手を離し、一喝する。
あ「アンタら、何であんな事したんや!
器官に入っとったらどうなっとったか…!」
特に学校のプールは、私ら以外にも沢山の人が使っている。
どんな菌が浮いているかも分からない。
しかも水やけん、息も出来ん。
吐き出せる量なら良いが、もし大量に飲んでしまっていたら…。
私の声、震えとったやろうな。
「何でそんなに怒るの?
ただの悪戯じゃん!だよねー!」
「そうそう!あんたが真剣に捉え過ぎなんだって!」
「ALTO真面目過ぎー!本当冗談通じないねー!」
全く悪びれてない女子らに対して、私は強く睨み付ける。
同じ女子同士やのに、何で仲良う出来んのや。
見てみぬふりをしている周りの奴らすらも憎く感じる。
何でクラスメイトを助けようとせんのや。
頼みの綱の先生も、こちらを見ずに他の生徒と話している。
本当に悪戯やと思っとるんやろうな。
それよりも、リナのケアが先や。
稲野ちゃんが見てくれてるとは言え、
彼女の味方が彼一人ではどこか心許無い。
爆発しそうな怒りを堪えながら、二人の下に向かった。

あ「リナ、大丈夫?」
稲「今やっと咳が止まった所。ね?」
『はぁっ…はぁっ…。う、Oui….』
顔が水に浸けられてた時間が短かったとは言え、
相当な量を飲み込んでしまっていた様だ。
少しでも空気を取り入れようと、
大きく吸ってしまったからやろうな。
プールから二人を上がらせ、リナを壁に凭れ掛からせる。
濡れた体で未だに肩で息をしている様は、どこか扇情的だ。
回復するまで、ここにいてあげようか。
早く時間が経って欲しい。いや何となく。

ようやく体育の時間が終わり、服を着替える様に言う。
終わるまでに回復して良かった。
更衣室で別れ、数分経ってまた合流する。
私と稲野ちゃんでリナを間に挟み、歩き出す。
さしずめ彼女のボディーガードって所やろか。
教室に着き、自分の机のフックに
水泳グッズが入った袋を引っ掛ける。
そしてまた二人の方に向かった。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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