[う.ば.ま.ろ]せめて、ただ愛させてよ。[学パロ/実.況.者]

六つ…。 ページ7

ふと気になって、落とし物ボックスに向かう。
あの鍵には、見覚えがあったからだ。
黒猫のマスコットに隠れて見えなかったが、
その後ろにはゴリラを模したキャラクターのプレートが
鍵と一緒に付けられていた。
それに、落ちていた場所から考えると
俺と同じ二年生の筈だ。
俺の推理が正しければ…。
う「先生。この鍵、俺が預かっても良いですか？」
や「原則として、本人以外の落とし物の持ち出しは出来ないよ。」
う「でも、知ってる奴のかも知れないんです。
間違えてたら戻しに来るんで。」
や「そう。その言葉、ちゃんと守ってね。」
う「はい。ありがとうございます。」
どうにかお許しを頂けた。
面倒臭えけど、返しに行ってやるか。
あいつはこの時間は、まだ残っている筈だ。

う「かわぞえさーん！」
か「おー、まろー！」
部活終わりの校庭。
そこには、サッカー部の面々がまだ数名残っていた。
その中に、俺が推理した落とし物の持ち主も
残って練習していた。
か「どうしたん？まろが待っててくれるなんて
珍し過ぎて寒気するんじゃけど。」
う「どういう意味だよ。これ、お前の？」
そう言って、かわぞえさんに鍵を見せる。
すると、途端に笑顔に拍車が掛かった。
か「おー！これは確かにかわぞえさんの鍵！
良かったー。今日帰れんかと思ったわあ。」
う「篠宮さんが生徒会室まで持ってきてくれたんだよ。
会ったらお礼言っときなよ。」
か「いやー、マジで助かった！ありがとな！」
う「…おう。」
か「何その反応！」
こっちも反応に困るんだよ。
こういう明るい所が、こいつの人気の秘訣なんだろうな。
クラスのアイドル的存在だって、前にぽず君が言ってたっけ。

サッカー部の部室に向かって、話しながら歩く。
か「どこに落ちてたんじゃろ？
落とした記憶すら無いけえなー。」
う「ピーチ棟の二階に繋がる階段の踊り場だってさ。」
か「なんて分かりやすい説明！」
う「篠宮さんが言ってた事を要約しただけだよ。
おかげでこっちもちゃんと分かって助かったけどな。」
とは言え、何でピーチ棟に来てたんだろう？
バスケ部の部室はマリオ棟にあった筈。
誰かに用事でもあったか？
か「お、着いた。じゃあちょっと待っててくれん？
覗きはおえんけえな！」
う「誰が覗くか！」
か「ワシが素肌を見せて良いのは愛ゴリにだけ…。キャッ！」
う「早く行け！」
どうでも良いけど、かわぞえさんと奴の
妄想話は他でやって欲しい。
友達×従兄弟のカップリング話なんか聞きたくねえ。

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