[う.ば.ま.ろ]せめて、ただ愛させてよ。[学パロ/実.況.者]

三十六…。 ページ37

それから数日後。
遂に迎えた、クリスマスパーティ当日。
とは言っても、過ごすのはいつものメンバーとなんだろうけど。
それはそれで、楽しめたら良いじゃん。
でもそれだったら、
愛ゴリから貰ったチケットが無駄になっちまうんだよな。
俺はブレザーのポケットに忍ばせたチケットを右手で弄った。

テ「…あ、あそこ！雪が積もってるよ！」
「貴方は小学生ですか。」
ぽ「本当だよ。誰が一番年上か分かんない。」
テ「二人共酷くない！？」
生徒会のメンバーとの作業中。
雪を見てはしゃぐテラゾーさんと
それを冷めた目で見つめる二人の構図は、
見ていて中々微笑ましい。
と、そこに。
と「おはようございまーす！頼まれてた物持ってきましたー！」
とりっぴぃが、生徒会室に訪ねて来た。
どうやら録音機材を貸しに来てくれた様だ。
ALTO君が機材一式を受け取りに向かう。
あ「わざわざありがとう。
言ってくれれば取りに行ったのに。」
と「この位の大きさなら、俺一人でも持って行けるよ。
使い方とか分かる？」
あ「あー、まだちょっと分からん所あるし、
教えて貰っても良いかな？」
と「良いよ良いよ！
じゃあ機材置く場所教えてよ。そこで教えるから！」
あ「ありがとう！
じゃあこっちに来て貰える？」
と「はーい！」
少し後に、やんわり先生も入ってきた。
その腕には紙袋が大事そうに抱えられている。
や「お、もう皆揃ってるね。」
う「あれ、そう言えばるかちゃんは？」
「幼稚園のお遊戯会があって、どうしても来られないそうです。」
テ「そっか。じゃあ今年はこのメンバーで過ごすんだね。」
う「あ、あの…！」
テ「ん、何？」
ここで言わなきゃタイミングを逃しちまう。
う「その…。
ご、午後から抜けても良いですか？」
テ「お、既に友達と約束してたの？」
う「はい。」
テ「うん、良いよ。
友達と楽しんでおいで。」
う「あ…、ありがとうございます！」
良かった、これであいつらの所に行ける。
後、ゆかりさんの所にも…。
ぽ「その袋は何？」
や「近くの百貨店のお菓子売り場に
マカロンの詰め合わせが売られててさ。
思わず買っちゃった。
皆で食べようね！」
ぽ「やった、マカロン！」
や「とりっぴぃ君も一緒にどう？」
と「ありがとうございます！
でも俺はすぐに戻らなきゃいけないので。」
や「あら残念。マカロンだけでもどうかな？」
と「それなら、頂きまーす！」
とりっぴぃは差し出されたパックからマカロンを
一つ口の中に入れ、美味しそうに口を動かした。

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