[う.ば.ま.ろ]せめて、ただ愛させてよ。[学パロ/実.況.者]

十五…。 ページ16

放課後のとある出来事。
生徒会の活動が終わり、生徒会室から出た時の事。
む「お、うばまろ君じゃんか。生徒会の仕事は順調？」
う「むつー先生。」
たまたま通り掛かったむつー先生が、俺に話し掛けてきた。
う「おかげ様で、順調ですよ。」
む「愛の戦士君は？」
う「先に帰ったんじゃないですか？」
む「ずっと一緒って訳でも無えんだな。」
う「そりゃそうでしょ！」
幾ら親戚同士とは言え、一緒に帰る程暇じゃねえし。
何なら家もちょっと遠いし。
む「そう言えば、何か困ってる事とか無いか？」
う「…今の所は、特に無いですけど。」
幾ら知ってる先生と言えど、余計な心配は掛けたくない。
そんな俺の余計なプライドが、それより更に
余計な嘘を吐き出させた。
確かに困ってる事は無い。…今はだけど。
む「そうか、なら良いんだ。
俺で良ければ手助けしてやるからな。」
とは言え、折角のご進言だ。甘えさせて頂こう。
う「はい。もし何かあったら宜しくお願いします。」

先生と別れ、ピーチ棟に向かう。
忘れ物をしたのを思い出したから。
やがて教室に着き、自分の机から一冊のノートを取り出す。
良かった、これで化学の小テストの勉強が出来る。
範囲とかも全部書いてあるから、
このまま帰ってたら赤点を取ってしまう所だった。
ノートを鞄に押し込み、簡単に帰る準備を整える。
そして歩き出そうとすると、
あの男が教室に入ってきた。
愛「よお！一緒に帰ろうぜ！」
う「あれ、かわぞえさんと帰ったんじゃ無かったのか？」
愛「ああ。あいつ、今日からサッカー部の遠征だってよ。」
う「サッカー部の遠征って、
こんなに遅い時間まで掛かるもんだったっけ？」
俺の僅かな知識では、数日は掛かるけど
遅くまではやらなかった筈なんだが。
愛「何かそうみてえだな。で、
ごりぞえいねえからお前待ってた。」
う「俺は繋ぎかよ。」
軽くツッコミを入れ、愛ゴリの誘いに乗る事にする。
鞄を肩に掛け、奴と一緒に教室を出る。
暫く歩いていると、エレキギターの音が
軽音部の部室から聴こえてきた。
最近は某塊を転がすゲームの曲を練習しているのを耳にする。
弾き手の抜群の選曲センスも相まって、
俺の帰りの楽しみになった。
一度だけ、俺の一番好きなバンドの曲を弾いてくれた事があったな。
あれは思わず立ち止まったよ。
聴きながら歩いていると。
愛「なあ、お前さあ。」
う「何だよ。」
愛「篠宮先輩とは、どんな関係なんだ？」
急にそんな事を聞いてきた。
いきなりどうした？

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