【第三十七回配信】 ページ38
暗くなる前に家まで送って貰い、
今の今まで繋がれていた手を離す。
ぽ「じゃあ、またね。」
『うん。ばいばい…。』
やっと離された手が、まだ温かいよ。
私は右手で玄関のドアを開けた。
自分の左手を、ぎゅっと握り締めながら。
「おかえりなさい。あら、
今日はpoez君は一緒じゃないのね？」
『うん…。』
「ご飯出来てるけど、先に食べる？」
『うん、食べる。』
そう返し、一旦自分の部屋に向かう。
机の近くに鞄を置き、そこから空の弁当箱を取り出す。
購買で買った野菜ジュースは雑貨屋さんに
着いた時には既に無くなっていたので、
パーラーに行った時に捨てた。
握られていた左手を、自分の胸の辺りに持っていく。
その場所はまだ、どくどくと反応していた。
手を繋いだ長さで言えば、今日が最長だろう。
まだ感触と温もりが残ってるもん。
「亞莉架ー！早く降りて来なさい！
ご飯が冷めちゃうでしょ？」
『…はーい。』
母親の声で我に返り、急いでリビングに向かった。
晩ご飯の時の会話。
「あら、その指輪どうしたの？」
『…ぽず君に、貰った。』
「そう。良かったじゃない。可愛いわね。」
『うん。お気に入り。』
「指輪じゃないわよ。貴女の彼の事。」
『ぽず君の事？』
「他に誰がいるのよ？まさか貴女、ふたま…。」
『ち、違う…！』
「…まあ良いわ。素敵な人が彼氏で良かったわね。」
『…うん。』
もう、ママの馬鹿。
急いで食べ終わり、自分の部屋に行く。
何故か急に恥ずかしくなってきたから。
椅子に腰掛け、指輪を見つめる。
吸い込まれそうな程ピンク色したクリスタルが、
私には妖しく輝いて見えた。
『それでね、今日はすっごく楽しかったんだよ！』
彼を配信に出したからといって、身バレはして良い訳がない。
私は場所が特定しそうな事には敢えて触れずに
今日の事を話した。
＜良いなー。私も彼氏欲しい＞
＜リア充は爆発しろおおおおお！＞
＜←はいはい嫉妬乙＞
コメントの雰囲気も、あれから一気に変わってしまった様だ。
今まで本当に無縁だったからね。
＜大丈夫？騙されてない？＞
＜あんな良い人がお嬢を騙す訳無いじゃん！＞
『そうだよー！本当に彼は良い人なんだから！
昨日だってね…。』
彼の事になると、話題は尽きない。
今まででも充分に話せたけど、
それ以上に沢山話せた。
それがとても嬉しくて。
思わず彼の事を＜ぽず君＞と呼んでしまいそうになる程。
放送を終えて機材を止め、一息吐く。
もっと話したい事があったけど、まずはここまで。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 智乃さん» ありがとうございます！続く限りは毎日更新を続けて行きたいと思ってます。時間は不定期ですがｗ2ですね！了解しました！ (2016年11月10日 7時) (
レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
智乃(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつもこのシリーズを楽しんで読んでいます。今回は可愛らしくてとても和みました。次回作は2を希望しています。毎日、投稿していてすごいと思います。体調に気をつけてください!次回も楽しみにしております。 (2016年11月9日 22時) (レス) id: ee899cd7e2 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» ありがとうございます！私自身、かなり楽しんで書かせて頂きました。3ですね！了解です！ (2016年11月9日 17時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます！今回は読んでいてとても可愛かったし楽しかったですw次回作は3がいいです。本当にお疲れ様でした！次回作の投稿、心待ちにしております！ (2016年11月9日 16時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
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