第４４ゲーム ページ45
「わ、私が…？」
『貴女以外は呼んでいませんわよ。』
「ご、ごめんなさい。」
作り方を知らなければ、誰かに教えて貰えば良いのよ。
『で、どうされますの？
教えて下さるかしら？』
「その、私で良ければ…。
簡単な物で良ければ教えてあげられるよ。」
『本当ですの！？』
これは、当たりを掴んだみたいですわね。
「うん。良いよ。
簡単で、美味しいチョコレートの作り方があるから
それを教えてあげるね。」
『ありがとう！宜しくお願い致しますわ！』
私は嬉しくなり、思わず笑顔で彼女の手を握った。
「…良かった。稲野ちゃんが言ってた通りだ。」
『稲野君が？』
「うん。彼ね、花宮さんの事、
凄くいい人だって言ってたの。」
あら、それは初耳ですわ。
ここは素直に、喜んでおきましょうか。
『ありがとう。私も彼の事、
とても素敵なお方だと思いますわ。』
その言葉の後、彼女は嬉しそうに
それでいてどこか、寂しそうに笑った。
あら、どうしたのかしら？
私、何かおかしい事を言ったかしら？
「あ、ありがとう。」
追い打ちを掛ける意味を込めて、こう続けてみる。
『貴女にとてもよくお似合いの、
格好良くて素敵なお方ですわ。』
その途端、顔を赤らめ出す彼女。
「え、えっと、あの、その…。」
彼女は顔を赤らめたまま、わたわたと一人で慌て出した。
何だか小動物の様で可愛らしいですわね。
彼女が落ち着いた所で、本題に入る。
「どうするの？
材料を買って調理室で作る？」
そうだわ。作る場所を確保しなければ。
『それなら、私のお家の調理場を使いなさいな。』
「本当に良いの？」
『ええ、宜しくてよ。ただ私、
一度も調理場を使った事はありませんの。
危ないからという理由で、料理をさせて頂けなくて。』
「…怒られない？」
『そこよね。でも、愛する彼の為よ。
彼が喜んで下さるならば、別に怒られても構いませんわ。』
そう答えを出しても、彼女はまだ何かを考えていた。
そして、こう言ってきた。
「私の家においでよ。そこで作ろ？」
可愛らしく首を軽く傾け、そう提案してきた。
確かに彼女のお家でなら、ばれてしまう事も無ければ
怒られる事もありませんわね。
『ええ、お願いするわ。』
「えへへ、やった。」
彼女は、今にもその場で飛び上がりそうな
勢いで喜んだ。
大人しそうな印象からは
想像がつかない程違いますわね。
そういう訳で、私は彼女のお家で
チョコレートの作り方を教わる事になった。
うふふ、かわぞえ君。
楽しみにしていて下さいましね。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - みくさん» ありがとうございます！今作の夢主は、相手役のかわぞえさんよりも男前にしようと考えていて、それを際立たせるにはお嬢様しかないなと結論付けて生まれました。ただ守って貰うだけの女の子というイメージを完全に払拭した子になりましたね。ご意見とご感想感謝です！ (2016年8月2日 0時) (
レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 完結おめでとうございます！お嬢様系主人公の小説で夢主がこんなにかっこいい作品は初めてよみました。前作品の夢主との絡みが個人的にすごく好きです。次回作は２が読みやすいです。次作もがんばってください！ (2016年8月2日 0時) (レス) id: f1e3ceab1e (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます！褒めて頂けて嬉しいです！稲荷様の作品を幾つか読ませて頂きましたが、どれも読みやすくて面白いです！2ですね！やっぱりそっちの方が読みやすいのかな…？ご意見ありがとうございます！ (2016年8月1日 13時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 完結おめでとうございますー！かわぞえさんの甘いお話、とっても良かったです！次作はテラゾーさんですか！個人的にも2が読みやすい…かな？(自分の小説もそうなので) (2016年8月1日 12時) (レス) id: 93b5f260a6 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» こんな拙いお話を楽しみにして下さってありがとうございました！2ですね！貴重なご意見をありがとうございます！ (2016年8月1日 12時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
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