[か.わ.ぞ.え]貴方の姫になりたいの！[学パロ/実.況.者]

第２４ゲーム ページ25

あれから少し時が経ち、
今日は球技大会の出場種目を決める日。
球技大会には、全員参加のドッジボールと、
各自で参加を決める四つの
合計五つの種目が存在する。
各自参加のものは、男子は野球とサッカー、
女子は、バレーボールとバスケットボールの
それぞれ二種目ずつとなる。
この二つのうち、好きな方を選んで
出なければならないのだ。

『稲野君は、どちらを選ばれますの？』
稲「サッカー。」
『即答ですわね。』
稲「だってサッカー好きだし。」
何だか意外ですわ。
稲「花宮は？」
『私は、バレーボールにしようかと思っていますの。』
稲「そ。」
『ふふ、お互い頑張りましょう！』
稲「…おう。」
顔を桃色に染めて、私から目線を外しながら
一言そう答える稲野君。
稲「その、不正すんなよ。」
『だ、誰が不正などするものですか！』
稲「だって、暴動起こしそうじゃん。」
『失礼な！私はそこまで野蛮ではありませんわ！
ちゃんとスポーツマンシップに則りますわよ！』
稲「ふふっ…。」
あら？今、稲野君が笑った…？
その様な事をしている内に、
それぞれが出場する種目が決まった。
私も稲野君も、お目当ての種目に出場出来る事になった。
うふふ。さあ、当日は暴れ回りますわよ！

同じ日の、一番最初の休み時間。
かわぞえ君は、他の女子達に囲まれていた。
「ねぇ、かわぞえ君。
かわぞえ君はやっぱり、サッカーに出るんだね！」
か「うん！あの中では一番好きな競技じゃけえな。」
「私、応援に行くね！」
か「ありがとう！でも、自分が出る競技にちゃんと出んと、
結果は残せんけえな。
かわぞえさんも頑張るけえ、君らも頑張ってよ。」
彼のその言葉に、色めき立つ女子達。
「かわぞえ君格好いい…！」
「私達の事、考えてくれてたんだ…！」
「やばい、もっとファンになったかも…！」
…敢えて、突っ込みませんわよ？
とはいえ、どなたに対しても
その爽やかな態度を崩さない彼は、
尊敬に値しますわ。
私などよりは、幾分も大人ですわ。

お昼の時間のラジオも、球技大会のお話で持ちきりだった。
改めて諸注意を言ったり、
DJのKADA君の、当日の放送部としての
お仕事の説明などをしていた。
彼はやはり、球技大会当日でも
司会進行を担当されるようで。

嗚呼、早く当日が来ないかしら！
体を動かしたくて仕方がありませんわ！

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