第23ゲーム ページ24
ラジオが終わり、お昼休み。
喉が乾いたので、水筒に手を伸ばす。
そこに、例の彼女達が現れた。
「やっほー。私らの心を込めた手紙、読んでくれたー?」
『あんなものは手紙とは言いませんわ。
ゴミよ。いえ、それではゴミが可哀想ですわ。』
「言ってくれるねー、お嬢様。」
『正に貴女達に相応しいゴミ屑ですわね。』
あら、二人の顔がだんだん醜くなってきましたわ。
私、思った事を正直に言っただけなのに。
『せっかく頂いたお手紙ですから、
大切に保管させて頂きますわ。』
敢えて含みのある様な言い方をすれば、
「つまんね。行こうぜ。」
と、一気に退いていった。
何だか面白くないですわね。
もっと強引に来られないの?
これじゃあ手加減すら出来ませんわ。
まさか、この私に怖じ気付いたのかしら?
うふふ。まああの二人に限って、
そんな筈はありませんわね。
水筒のお茶をコップ一杯程度飲み干し、
かわぞえ君を探してみる。
彼はもとくんとお話をしていた。
弁当はもう食べ終わっているみたいね。
うふふ。彼の素の笑顔程、
素敵なものはありませんわ。
早く、私のものにしてしまいたい。
でも、ここで急いではいけませんわ。
彼が私のものになると同時に、
彼にも苛めの矛先が向いてしまいますもの。
その苛めが、たとえ予期せぬものでも。
まあ、彼は私が守るから、
それくらいは別に良いのですけれど。
放課後。
例の如く、かわぞえ君はクラスの女子生徒達に
言い寄られていた。
か「誘ってくれてありがとう!
でもごめんね。今日、部活があるんよな。」
彼はそう断ると、鞄を持って足早に外に出た。
全く、モテる方は違いますわね。
心の中で、彼にそう毒づいたのは内緒よ?
女子達は彼が外に出た後、一斉に窓の方へ向かう。
その様子は、まるでバーゲンセールにでも来ている様。
無論私も、彼女達の後を追う様に窓に向かった。
一番人口密度が低い窓を陣取ると、彼が出てくるのを待つ。
このどこかうきうきする感じ、嫌いではありませんわ。
そして、お目当てのかわぞえ君が出てくる。
女子達は彼を見て、黄色い声を上げた。
部活動くらい、静かに観られませんの?
アイドルのコンサートと錯覚する程の歓声を受け、
彼はサッカー部員としての練習を始めた。
観ているこっちが楽しくなる程のプレーを重ね、
相変わらず格好良く点を稼いでいく。
普段の彼とはまた違う一面に、
ときめく人も多いでしょうね。
何よりこの私が、その気持ちの当事者よ。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - みくさん» ありがとうございます!今作の夢主は、相手役のかわぞえさんよりも男前にしようと考えていて、それを際立たせるにはお嬢様しかないなと結論付けて生まれました。ただ守って貰うだけの女の子というイメージを完全に払拭した子になりましたね。ご意見とご感想感謝です! (2016年8月2日 0時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 完結おめでとうございます!お嬢様系主人公の小説で夢主がこんなにかっこいい作品は初めてよみました。前作品の夢主との絡みが個人的にすごく好きです。次回作は2が読みやすいです。次作もがんばってください! (2016年8月2日 0時) (レス) id: f1e3ceab1e (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます!褒めて頂けて嬉しいです!稲荷様の作品を幾つか読ませて頂きましたが、どれも読みやすくて面白いです!2ですね!やっぱりそっちの方が読みやすいのかな…?ご意見ありがとうございます! (2016年8月1日 13時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 完結おめでとうございますー!かわぞえさんの甘いお話、とっても良かったです!次作はテラゾーさんですか!個人的にも2が読みやすい…かな?(自分の小説もそうなので) (2016年8月1日 12時) (レス) id: 93b5f260a6 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» こんな拙いお話を楽しみにして下さってありがとうございました!2ですね!貴重なご意見をありがとうございます! (2016年8月1日 12時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
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