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第12ゲーム ページ13

校門前で別れを告げ、彼は歩き出した。
送迎車を使ってもいいと言ったが、
彼はその提案を否定し、
結局自分の足で帰っていった。

その次の日。
音楽祭の二日目、合唱コンクールの日。
いつもと同じ時間に学校に着き、クラスに混じる。
かわぞえ君を見付け、駆け寄る。
『ごきげんよう。昨日はちゃんと帰れまして?』
か「うん。昨日はありがとう!」
彼の爽やかな笑顔に、思わず見とれてしまう。
嗚呼、やはり素敵ですわ。
『うふふ、取るに足りませんわ。』
しかし、そんな思いはおくびにも出さずに返答する。
話していると先生が来て、
そのままホームルームが始まった。
ホームルームの後、時間が来るまで教室で待機する。
やがて時間が来て、全員で体育館に移動した。

音楽担当の先生から、合唱コンクールの
軽い説明と開会宣言が行われた。
今日はとりっぴぃ君とKADA君は、
それぞれのクラスの合唱に参加する為
司会進行は行っていなかった。
後はひたすら順番を待つ。
私達のクラスは、ほとんど中央辺りだ。
二年生のクラスだけで言うと、後半辺りかしらね?
合唱コンクールは順調に進んでいき、
いよいよ私達のクラスの番になった。

舞台に揃って上がり、綺麗に並ぶ。
隣のかわぞえ君は、とても緊張している様だ。
私は彼の右肩に自分の左手を触れ、小声で言葉を掛ける。
『大丈夫ですわ。一緒に頑張りましょう!』
か「うん…。ありがとう!」
彼も小声で返してくれた。
その声の震えは、少し治まっていた。
伴奏が始まり、歌い始める。
…やはり、歌詞がよく分かりませんわ。
そんな事を思いながら、私は声を高らかに上げる。
やがて歌が終わり、同時に私達の発表も終わりを告げた。

結果発表。
私達のクラスは、二年生の部で三位に入選した。
因みに一位は、とりっぴぃ君達のクラス。
順位だけで見れば、褒められた結果ではありませんわね。
私の親、主に父親がどんな風に言うのか、
想像がつきますわ。

も「三位だったね!」
『ええ、そうですわね。』
教室に戻る途中、もとくんに話し掛けられた。
も「楽しかったね!」
『ええ、本当ですわね。』
とりとめの無い会話。
も「優勝したかったね!」
『ええ、したかったわね。』
彼と話している内に、
少しずつ気が楽になっていくのを感じた。
そうね。精一杯頑張ったんですもの。
パパも許して下さるわ。
その時は、「おめでとう。よく頑張ったね。」
と、言って下さるかしら?

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - みくさん» ありがとうございます!今作の夢主は、相手役のかわぞえさんよりも男前にしようと考えていて、それを際立たせるにはお嬢様しかないなと結論付けて生まれました。ただ守って貰うだけの女の子というイメージを完全に払拭した子になりましたね。ご意見とご感想感謝です! (2016年8月2日 0時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 完結おめでとうございます!お嬢様系主人公の小説で夢主がこんなにかっこいい作品は初めてよみました。前作品の夢主との絡みが個人的にすごく好きです。次回作は2が読みやすいです。次作もがんばってください! (2016年8月2日 0時) (レス) id: f1e3ceab1e (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます!褒めて頂けて嬉しいです!稲荷様の作品を幾つか読ませて頂きましたが、どれも読みやすくて面白いです!2ですね!やっぱりそっちの方が読みやすいのかな…?ご意見ありがとうございます! (2016年8月1日 13時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 完結おめでとうございますー!かわぞえさんの甘いお話、とっても良かったです!次作はテラゾーさんですか!個人的にも2が読みやすい…かな?(自分の小説もそうなので) (2016年8月1日 12時) (レス) id: 93b5f260a6 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» こんな拙いお話を楽しみにして下さってありがとうございました!2ですね!貴重なご意見をありがとうございます! (2016年8月1日 12時) (レス) id: fd1fdca12e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年6月13日 22時

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