カッコつけたがり症候群で天性のアホの子が勘違いされました。【刀剣乱舞】

健康的な生活できる人って尊敬します。 ページ43

苺人不利side


「食事は1日3度、おやつは1日一つまで。ただでさえ疲労状態の彼の夕餉を抜くだなんてあり得ない」


弟達が多くいるということもあり、健康的な生活、特に食事にはこの本丸でも注意をしている方だと思う。


ましてや私の目の前で「夕餉を知らない、要らない」などと言われて放っておけるはずがなかった。


夕餉を知らないということは、今まで夕餉を口にしたことがなかったのだろうか。


確かに刀であることには変わりないため、食事を口にしなくとも死ぬことはない。


しかしこうして人の体で生活をしていれば、体力を使い腹も減る。


重ねて厚樫山で重症の怪我を負い、更に突然違う環境に置かれて疲れていないはずがない。


「あっ、いち兄遅い！」


「こら乱、いちにいだって忙しいんだぞ」


食堂の戸を開けると、私に気がついた乱が頬を膨らませ、それを厚が宥める。


「もう夕餉の準備終わったよ！兄弟が当番の時はいつも見に来てくれるのにー」


「あぁ、そうだったね」


今日の食事当番は理はいつも通り燭台切さんと歌仙の二人と手伝いが乱と厚だったか。


普段弟達が食事当番の時は様子を見にくるようにしているが


「来れなくて悪かったよ。すまないね」


私としたことが吹雪殿の事ばかりですっかり忘れてしまっていた。


「気にすんなよ！オレ達だけでもちゃんとできるしな！」


「そうか。流石厚だ」


「ボクだって出来るよー！このお皿だってボクが出したんだよ！」


「ははは、そうか。偉いな、乱」


「でしょー？えへへ」


と、弟達と談笑するのもこれくらいに吹雪殿の夕餉をなんとかしなくては。


ここで吹雪殿のことを知っている者は…


「乱、燭台切さんはいるかい？」


「燭台切さん？うん、いるよ。奥で食器洗ってると思うけど」


「そうか、ありがとう」


乱に教えてもらった通り、食堂の奥にある調理場まで行くと手際よく食器を洗う彼の姿が見えた。


「燭台切さん、お忙しいところすみません」


「ん？あぁ一期くん、どうしたの？」


「少々お願いがございまして…。吹雪殿の事で」


一応、私を含めた11振と主殿以外に吹雪殿のことは知らないため声を潜める。


周りに黙っているのは、まだ無知で好奇心旺盛な短刀達や刀達に知られてしまうと吹雪殿を巻き込んだ問題が起きる確率が高まるのではという主殿の配慮によるものだ。


「吹雪殿？えっ!?吹雪殿って…まさか彼に何かあったの!?」


「それが…何と言ったものでしょうか…」

一期一会？…えっ!?この読みって〈いっきいっかい〉じゃないんですか!?→←やっと戻ってきた本編だよ。ただいま。ごめんなさい。

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