ツンデレな無一郎君壱【鬼滅の刃】

31話* ページ41

Aside

上弦の鬼は頚が硬いから、多分隼では斬れない。だとしたら……

『天の呼吸、拾ノ型氷華乱雪(ひょうからんせつ)』


雪が刀を中心に渦巻き、吹雪になる。


そのまま鬼の頸に刀を向けた。


吹雪が氷の花を作った。


鬼「遅いわね」


氷華乱雪は、威力がとてつもない。が、スピードがあまり出ず、体力の消耗が激しい。
　
息が少し乱れる。


鬼「この程度で息切れしてちゃ、あたしの頚は斬れないわよ。血気術、諸刃の剣」


刃が何回も私を襲う。


刀を直接当てられていなくても、斬られてしまう。


刃を避けても避けきれず、結局ほとんど鬼の攻撃を受けてしまった。


それと同時に、鬼も傷ついていた。


鬼「諸刃の剣は相手にとても大きな攻撃を与えることが出来るわ。

代償にあたしにも衝撃が返ってくるの。

でもそれも、鬼だから関係ないわ。

諸刃の剣は毒入りよ。せいぜい足掻いて苦しみなさい」


『はぁっ、はぁ』


呼吸が乱れる。


視界が定まらない。


手が震える。


普通の鬼と上弦の鬼とではこんなにも違うのか!

嗚呼、駄目だ、意識が…………。









光「A!起きて」


『姉……さん?ここ……は?』


鬼と闘っていたはずなのに、幅広く流れている川の向こう側に姉さんが居た。


『姉さん!』


私は姉さんの元へ駆け寄ろうとした。


が、彼岸花が足に絡みついて離れない。


光「A、貴方はまだ私のところに来るべきではないわ」


『嫌だ!私は姉さんのところへ行きたい!母さん、父さん、姉さんに会いたい!謝りたいの……。私の………私のせいで死んでしまったから。私が守れなかったから』


光「A、それは違う。自分に責任を感じることはないの。

過去は変えられない。けど、未来は変えられる。

だから、生きて、A。私達の分まで。

鬼を斬って」


『無理だよ……。私にあの鬼は斬れない。上弦だから強いし。でも私は弱いし』


光「関係ない。立って。上弦の鬼を倒せば、沢山の人を救える。一度鬼を斬ると決めたら諦めないで、精一杯力を尽くす。それが私達の決まりでしょ?」


『うん、分かった。やってみる』


光「Aなら………出来る。頑張って……私の分まで」


そこでプツンと記憶が途切れた。


目を開き、立ってきちんと刀を構えた。



鬼「まだ生きてたの?生意気な餓鬼ね」


手が震える。


視界が霞む。


でも、やるんだ。


私はこの鬼を斬ってみせる。


＿＿＿＿＿＿


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