ツンデレな無一郎君壱【鬼滅の刃】

8話* ページ13

Aside

時透「はぁ……次からはちゃんと約束守ってよ」


『…………はい』


目から涙が出そうだ。

泣いちゃ駄目。泣いちゃ駄目!泣いたら姉さんが悲しむでしょ……。

なんとか涙をこらえた。


時透「もう夜遅いから、僕の屋敷に泊まってけば?」


『…………大丈夫です』

もし泊まったら時透様に迷惑をかけてしまうかもしれないので、私は断った。


時透「その状態で大丈夫って言える方がおかしいよ。いいから泊まっておけば?」


『でっ……でも…』


時透「はぁ………。いいから行くよ」


拒む私を時透様は私の腕を引っ張って無理矢理歩かせた。


『分かりました………』


私の言葉を聞くと、時透様は私の腕を離した。少し名残惜しかった。


時透「ねぇ、僕のこと時透様っていうのやめない?」


『でっ……でも…貴方は柱で私はまだ鬼殺隊にも入っていないし……』


まごついている私の口に何か柔らかいものが当たった。

時透様が指を私の口に当てていた。

私がそう理解するのには時間はかからなかった。

顔に熱が集中しているのが分かる。


時透「グタグタ言わないで時透さんって呼んで」


そう言うと時透さんは指を私の唇から離してくれた。
　

『とっ、ときっ……時透さん!』


時透「まぁいいかな。合格」


そう言って時透さんは屋敷の扉を開けた。


寝室に案内されるかと思いきや、縁側に案内された。


時透「ほら、ここ座って」


『え?あっ……はい』


時透「ねぇ、我慢してるでしょ。泣くの」


『ｯ………』


時透「泣いてもいいんじゃない?でも日頃から泣いてたら鬱陶しいからやめて欲しいけど」


『うっ…………ぁ………』


私は嗚咽を漏らし、堪えていた涙を流した。

その刹那、私は温かいものに包まれた。
時透さんが私を抱きしてめていた。


『!!あ…あのっ……時透さんっ。そのっ……腕っ』


抱きしめられていることを言おうとしたが、私は泣いているせいで上手く喋れなかった。
　
　
時透「いいから。黙って泣いとけば」


私はツーンとそっぽを向いている時透さんの耳が赤いことに気付いた。


『耳、赤いですよ』


時透「うるさい」

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