Diable et une fille (ページ46)

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詠拾伍話ページ46

もう力は手に入れたはずなのに。見下されるのはなくなったはずなのに

どうして私は人から力を貸してもらうことを拒むのだろうか

それが弱者の証だから？単に独りよがりだから？

………………そんなのわかる訳が無い

「ったく、強情なヤツだな」

「離して」

自身に寄りかからせるような形で、私を起き上がらせた爆弾魔

タダでさえ人に力を借りるのは嫌いなのに、増してや相手があの爆弾魔なんてもっと最悪だ

離してもらうにもなかなか離してくれそうにないので、彼の身体を押し返す

が、今の私の力ではいくら魔人とはいえほんの些細な力しかない

一体私の契約はなんだったのだろうと言うくらいに役に立たない身体だ

「はっ」

自分自身に苛立っていると、私の頭上から鼻で笑う声が聞こえてきた

「アンタねぇ……!!」

苛立ちが頂点に達しかけて、私は爆弾魔の顔面めがけて拳を繰り出した

でも

「お姉さま!!」

私の拳が爆弾魔の顔面に届くよりも、ノエルの拳が私の鳩尾に決まる方が早くて

私は爆弾魔を巻き込んで、近くにあった階段を転げ落ちていった