弐話 ページ2
「ご機嫌麗しゅう。バロウズ市長」
「相変わらずだ、その無愛想さは」
ラッセル・バロウズ。若くしてこのラプラス市の頂点に上り詰めた男だ
市民らは何一つ疑っていないが、私は彼が何事もなく市長に就けたとは思えていない
「ジリアンならあそこにいますので」
「私は君に話があるんだが」
「では」
一方的にバロウズ市長の話を遮ると、私はパーティ会場をあとにする
そのまま私が向かったのは、とある廃ビル
誰もいないことを確認すると、ポケットに忍ばせていた瓶を二つ取り出す
そして、書物に記されていた通りにその着色料で"あるもの"を書き始めた
「よし。それで、コレを垂らせば」
もう一つの瓶を中身を書き上げたものに垂らすと
「なんだ今回の契約者は随分と若いな。小娘よ、お前は私に何を願う?」
「力が欲しいの。誰もを黙らせるような圧倒的な力が」
「…………理由は」
「私を見下してきた全員を黙らせたい」
自分でも驚くような低い声が出た
それだけ私を見下してきたヤツらが憎いのだろう
私よりも頭二つ分くらい高いその悪魔をにらみつければ
「分かった。お前に力をさずけてやる」
「……………ありがとう」
案外あっさり契約は済むものだ
ニヤリと笑うと、私は彼に向かって歩き出した
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ココロ(プロフ) - 続編に移れません、、、。今準備ちゅうだから、とかですか?続き楽しみにしてます。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: ab8077af61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沢村姫華 | 作成日時:2017年4月2日 14時