21-2：透明な脚本家 ページ42
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『送ったって家に？』
「ちゃうちゃう、オフィスにや。」
『オフィスに捜査しに来た刑事が伊吹さんだとは限らないでしょ？』
「そん時は運がなかったっちゅーことで。」
運がなかった、か。そう言えば今どこにいるんだろ。
今日は伊吹さん仕事お休みだから家にいるのかな。
彼の居場所が気になってパソコンで位置を確認する。
『うっわ。』
「ん？」
『伊吹さん、池袋のシェアオフィスにいるっぽい。』
「ほな今頃俺からのプレゼント届いとるやろな。」
運がいいのか悪いのか。あのケースを見れば、私のだってすぐ気付くはず。
「お前が死んだと思って後追いするかもなぁ。」
『その前に五味殺されちゃうかもね。私が死んでたらの話だけど。』
慣れない五味呼び。久住の方がずっと良かった。
「全く動揺せんのかい。」
動揺？する訳ない。
だって
『彼を信じてるから。』
「お前の口から信じてるなんて、明日槍でも降るんとちゃうか？」
私が自ら誰かを信じると言ったのは、いつぶりだろうか。
彼を信じたいと思ったのは彼が警察だから、だけでは無い。
私のことは私が1番分かってる。
────お前にとってあの男はなんなん？
あの日言われたことが頭にこびりついて離れなかったのは
私にとって伊吹さんはただのターゲット。それ以上でもそれ以下でもないって言い切る事が出来なかったのは
こんなにも会いたい、声が聞きたいって思ってしまうのは
嗚呼、認めるよ。認めればいいんでしょ。
『好きなの、伊吹さんのことが。』
これから彼は真実を知ると思う。
自分が愛した女は存在しないのだということを。
この感情にも期限がある。
どうせ数ヵ月後には綺麗さっぱり忘れなきゃならないなら…彼との関係が完全に断ち切れるあと数週間、好きでいる事を許して欲しい。
「ははっ、やっと認めたんか、そーやと思っとった。」
久住は満足したように椅子から立ち上がる。
「最高のシナリオ思い付いたんやけど聞くか？」
『いい、私にとっては最悪のシナリオっぽいから。』
「聞きたい言われてもはなから話す気ないけどな。
楽しみにしとけ、特等席で見せたるから。」
この物語の最後は、ハッピーエンドかバッドエンドか。
『(考えるまでもないか。)』
【透明な脚本家】
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優(プロフ) - 志摩さんverも見たいです。 (12月13日 8時) (
レス) @page9 id: 3d15647872 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年3月10日 4時) (レス) @page43 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 終わり！？めっちゃ気になる(；´Д｀) (2021年12月4日 18時) (レス) @page43 id: da421f7cc6 (このIDを非表示/違反報告)
Ylixe(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月10日 20時) (レス) id: 261d3e9d65 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです！このパターン初めて読みました！久住側で伊吹に好かれて付き合って…最高ですね！続きもっと沢山読みたいです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2020年12月28日 2時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無 | 作成日時：2020年9月26日 13時
