存在しないアカウントです【伊吹藍】

19-2：Who are you？ ページ39

伊吹SIDE




「沈められた？そんな事…」




────昔、暗くて寒い所に連れていかれて




「……言ってたかも。」


「羽野麦からの聴取で裏付けも取れています。自分を守るためにAちゃんはエトリの元へ行ったと。」


「羽野麦の話を聞き、その後の光景を見た成川は嘘だと気付き彼らに電話したそうです。」


「なんで複数形？」


「久住と鬼燈に電話かけたんだってよ。」


「久住に連絡を入れたが見捨てられてしまったらしく、その後鬼燈Aに電話したそうです。」

俺が安否確認をした数十分後の出来事。




「それで、Aちゃんは成川のとこ行ったの？」


「あぁ、危険を顧みず来てくれたらしい。」


「見たのか？」


「車に乗る直前、両手を怪我した彼女を見たと供述している。」



俺達が着いた時、ハムちゃんと成川が沈んでいた井戸がある民家の門は何者かによって無理やり壊された形跡が残っていた。

地面には割れた植木鉢に飛び散った血痕。


俺達の前に誰かがここへ助けに来た事は分かったけれど、結局誰の血かは分からずじまいだった。




それがAちゃんのものだとすれば……、




「鬼燈Aの失踪に久住が関係している可能性が高い。」




彼女は今どこにいる？




「なので鬼燈Aという女性についても聞き込みを行ってください。」


「分かった、ありがと九ちゃん。」









「鬼燈Aという女を知っていますか？」

伊吹が持っていた彼女の写真を若者達に見せて回るも




「あ、この人たまに来てました。」


「綺麗な人だなって思ってたのでよく覚えてます。」




鬼燈Aについての情報は何も得られなかった。









「メケメケフェレット久住。ドローン爆弾と殺人と殺人未遂3人ってだけで役満なのに。」


「見えていない被害者がらもっともっといるな。」




「お前の彼女の鬼燈Aは久住の被害者の1人か、それとも最初からあちら側なのか。何者なんだろうな。」




「他人助けるために自分の命投げ出すなんて普通出来ねーだろ？
Aちゃんはそれをした。あと俺の彼女だからぜってーシロ！！」

俺と一緒に泣いてくれた彼女がクズ野郎の仲間なわけがない。




「公私混同するなって。」


「でも志摩もそう思わね？」


「……久住の仲間ではない、と思いたいけどな。」




【Who are you？】

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