16-2：ナリソコナイ ページ33
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自分でも調べようとスマホを開くとロック画面に表示された1件の不在着信。
嫌な予感がした、
ピーッ＿＿＿
「Aさん、成川です。久住さんにも連絡したんですけど…その、エトリさんの仕事ミスっちゃって。これ聞いたら連絡ください。」
『エトリって…どういう事？』
「ナリくん、近々まとまった金が手に入るって喜んどったで。」
私もそこまで馬鹿じゃないからそれが何を意味するのか、分かってしまった。
『まさか…ナリくん、羽野麦をエトリに引き渡してお金貰うつもりなの？』
掴んでいたはずの写真がバラバラと床に散らばる。
必死に動揺を隠していても、身体は正直でさっきから手先の震えが止まらない。
「そのまさかや。」
その一言で全てが繋がった。
ドラッグの売人なんて辞めてちゃんとした仕事した方がいいって言った時に、投資してゲーム会社の役員になれるかもって嬉しそうに話してたナリくんが思い浮かぶ。
「最初は渋っとったんやけど、Aが沈められたのは羽野麦のせいや言うたらあいつまんまと騙されてエトリさんに売りよったで。
俺の手のひらで転がされて、ほんま滑稽やなぁ。」
あの日と同じ笑顔でけらけら笑う彼はクズそのもの。
────俺もAさんの役に立てるよう頑張ります！！
許されることではない無いけれど、彼は純粋に私を助けたかっただけなんだろう。
『ほんっと、馬鹿だなぁ。』
可哀想なぐらい素直で優しくて馬鹿な子。
誤解を解いて、昔のように彼らを逃がせばいいって頭の中で段取りを考える。きっとまだ間に合う。
「どーしたー？」
こっちを見ながらニヤつく久住を見て電話の相手がナリくんだと確信した。
「沈めるー？浮かぶんとちゃうか？」
のんびりと柔らかい声色でとんでもない事を言い始める久住。
『沈め…は？？』
「ナリくん、それ、俺になんのメリットがあるん？」
『久住、電話貸して。』
彼の電話に耳を傾けると聞こえてくるのはナリくんの必死な命乞い。
「どう？おもろい？おもろかった？ほなな〜。」
久住は私の頼みも、彼の返事も聞かずに電話を切った。
「言い忘れとったけど、今日大金入る予定やったらしいで。」
言い忘れとったなんて嘘に決まってる。
ブツっと切られたスマホから
────絶望の音がした。
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優(プロフ) - 志摩さんverも見たいです。 (12月13日 8時) (
レス) @page9 id: 3d15647872 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年3月10日 4時) (レス) @page43 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 終わり！？めっちゃ気になる(；´Д｀) (2021年12月4日 18時) (レス) @page43 id: da421f7cc6 (このIDを非表示/違反報告)
Ylixe(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月10日 20時) (レス) id: 261d3e9d65 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです！このパターン初めて読みました！久住側で伊吹に好かれて付き合って…最高ですね！続きもっと沢山読みたいです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2020年12月28日 2時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無 | 作成日時：2020年9月26日 13時
