9-2：38度の爆弾魔 ページ16
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『重くないです？』
「寧ろ軽すぎ。」
ぐわんぐわんすると言い始めたあと、徐々に足元がおぼつかなくなってふらついてるAちゃんがいきなりおんぶして欲しいと言い始めた。
んで、したはいいけど俺の方がやばい。
凄いいい匂いするし、心臓が滅茶苦茶うるさいのに当の本人はそんなこと露知らず『視界が高くてアトラクション見たい！』とはしゃいでるし。
それに走って汗をかいたせいで熱が上がったんだろう。首に回された腕がさっきよりも熱い。
「Aちゃんち上がっても大丈夫？」
『なんにもないですけど、いいですか？』
「ん、いいよ。」
とは言ったものの。
「ほんとになんもねーじゃん。」
家に到着してAちゃんをベッドに寝かせてお水を取りに台所まで来たけどマジでなんもない。
広めな部屋に白で統一された家具がいくつか置いてあるだけ。なんつーか、すげぇ殺風景な部屋。
「Aちゃん毎日何食ってんの…？」
部屋と同様、冷蔵庫も空っぽ。飲み物と果物が入ってるだけ。
棚に何個かカップラーメンが置いてあるけれどこれじゃ不健康すぎる。だからあんなに軽かったんだ。納得。
コンコン＿＿＿
「Aちゃん着替え終わった？」
『はい、多分…。』
え、多分って何。これ入って大丈夫なの？？
恐る恐る寝室を開けるとしっかり部屋着に着替えてたAちゃんがベッドに座っていた。
「熱何度？」
『無かったですよ。』
「本当は？」
『50度。』
「熱すぎでしょ。」
『…嘘…38度。』
彼女の視線の先に置かれた体温計に表示された38.2という数字。
うわー、結構あんじゃん。
「薬ある？無かったら買ってくるけど。」
『カバンの中に常備薬入ってます、けど飲みません。』
「こら、飲まなきゃだめでしょ？」
『やです。川に流しといてください。気合いで治します。』
カバンの中のポーチから風邪薬と解熱剤を取り出して子供みたいに駄々こねていやいや逃げる彼女に無理やり飲ませる。
『苦い、不味い、最悪…。』
ブツブツと文句を言い続けるAちゃんに布団をかけ様子を見ていると、ズズっと布団に潜った彼女は暫くして規則正しい吐息を吐きながら夢の中へ。
「俺ちょっと買い出し行ってくるね。」
眠った彼女の頭を撫で、俺は音を立てないよう静かに家を出た。
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優(プロフ) - 志摩さんverも見たいです。 (12月13日 8時) (
レス) @page9 id: 3d15647872 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年3月10日 4時) (レス) @page43 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 終わり！？めっちゃ気になる(；´Д｀) (2021年12月4日 18時) (レス) @page43 id: da421f7cc6 (このIDを非表示/違反報告)
Ylixe(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月10日 20時) (レス) id: 261d3e9d65 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです！このパターン初めて読みました！久住側で伊吹に好かれて付き合って…最高ですね！続きもっと沢山読みたいです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2020年12月28日 2時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無 | 作成日時：2020年9月26日 13時
