No.4 ページ4
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昼食のカレーを皆で堪能した後、私達は水辺まで遊びにきた。
男の子達は水切りに熱中している。
保護者達は世間話に花を咲かせている。
私はというと、少し離れた木陰で、大きめの石に腰を下ろして休んでいた。まあ、所謂食休みである。
それにしても、この水辺は気持ちいい。
夏だから当然日差しが強いけれど、暑さを打ち消すほど爽やかで涼しいのだ。
鳥や虫の鳴き声、水の音。
自然の美しさ、木漏れ日の眩しさ。
とても穏やかな気分だ。
「おーい！ Aも水切りしよーぜ！」
「しょーぶだA！」
「いっしょにあそぼうよAちゃん！」
少し遠くの所から、私を誘う男の子達の声が聞こえてきた。
それに応じて皆の所へ向かう。
食後の運動の時間かな……。
「ほら、水切り！」
「かっちゃんすごいんだよ！」
「そうそう！ ７回だっけか？」
「とにかくやってみろよ！」
「うーん、出来るかなぁ」
前世では、よく義勇さんと対決してたけれど、全敗だった。
それに、今世では未経験だ。
とりあえず、小さく薄い小石を選んで手に持ち、投げた。
小石は、水面を撫でるように幾度も跳ね、速度を落として沈んでいった。
「すっげー!! はえー！」
「おれ、何回か見えなかった！」
「Aちゃんすごいよ！」
「……おれよりとんでる。すっげ……」
「…………」
皆は自分のことのようにびっくりして喜んでくれるのだが、正直一番驚いているのは間違いなく私だった。
今、一瞬呼吸が使えた……？
多分、無意識のうちに空気をいっぱい吸って、腕に酸素を沢山回したのだ。
今世でも、呼吸が使えた。
少し嬉しいような、でも悲しいような。何だか複雑な気持ちになってしまった。
だって、前世のように呼吸が使えてもあの時一緒にいた彼等はいないから。
彼等の顔を思い出した途端、とてつもなく寂しくなってしまった。
* * *
キャンプが終わり、夏も終わりを迎えた頃から、出久君と勝己君、それから私との友情に、亀裂ができていった。
元々、勝己君は出久君に対して見下したような節はあった。キャンプでの一件もそうだが、悪化させてしまうような芽はなるべく早めに私が摘み取り、仲をなんとか取り持っていたのだ。
しかし、“個性”の存在によってガタガタだった関係が一気に崩れてしまった。
勝己君は良い“個性”、出久君は“無個性”という事実が出来たのである。
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ハん - 本当に素敵な作品です❣️私涙脆いので泣けてきちゃいました。続きまっってます❗️ (10月18日 20時) (
レス) @page26 id: add9586351 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - このお話大好きです！個性がエルサみたい！かわいい！ (2022年1月13日 18時) (レス) @page2 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！こんなに褒めていただけるだなんて、ものすごくうれしいです。更新頑張ります！ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 1484373297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね！夢主の儚い感じと誰でもやり過ぎなく平等に接している感じが好きです！慕ってくれている人がいるって言うのも素敵だと思いました！更新頑張って下さい！！ (2021年5月4日 18時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - アニオタさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありませんでした……。コメントありがとうございます！私自身、エ○サが大好きですので、そこからオマージュさせていただいたのです。鋭いですね！本日から更新スタートいたしますので、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サブとバラ x他1人 | 作成日時：2019年10月21日 23時
