No.23 ページ23
＊
夏休み。
午前は例の如く休み返上で委員会活動をし、やっと帰るところだった。
暑くてへとへとになってしまったので、少し休めるところをぶらぶらと駅内で探す。
駅内は結構賑わっていて、少し人酔いもする。
同い年くらいの女の子とすれ違った時、反射的に振り向いてその子を確認した。
その子は美しい蝶の髪飾りが特徴的なとても可愛らしい女の子で、私と同様にこちらに振り向いて互いの顔を確認する。
「……し、のぶ、ちゃん……？」
「！ ……Aさん……」
その子は、紛うことなき前世の戦友、胡蝶しのぶだった。
私も彼女も、お互いが本物だと理解した瞬間に強く抱き合った。
鼻をくすぐる、優しい花の芳香。
私の、大切な仲間の一人。
また、会えた。
* * *
しのぶちゃんと二人で、駅内にある喫茶店で久方ぶりのお茶をする。
どうやら彼女は、私を探しにこの駅まできたらしかった。
「４月頃、姉さんのヒーロー事務所に手紙が届いたのです。“雪園”という差出人でした」
私が送ったものだ。
やっぱり、あのヒーローは彼女の姉……胡蝶カナエさん本人だったようだ。
「もしかしたらと思い、ヒーロー活動で忙しい姉に代わり、私が貴女を探しにきたのです。ヒーローに、夏休みはありませんからね」
「そうなんだね……。態々ありがとう、しのぶちゃん」
「いえ。私も、貴女に会いたかったから」
「！ ふふ、とっても嬉しい」
小一時間ほど会話をし、彼女とはこの駅で別れた。
これからも疎通出来るよう、彼女とカナエさんのLINEのIDを交換しておいた。
前世では鎹鴉を通しての文通だったから、何だか新鮮である。ちなみに、玄弥君ともLINEで繋がっている。
しのぶちゃんから教えてもらった情報を、以下にまとめることにした。
まず、私達のように鬼殺隊で戦死した者達やそれに関わって死亡した者達は、前世の記憶ありきでこの世界に転生されるようである。
死んだ順に転生されるらしく、前世では年上でも死んだ順によれば今世では年下になった、という事例も確認されている。なるほど、だから前世では三つ年下のしのぶちゃんも、五つ年下の玄弥君も、三人とも無限城での戦いで命を落としたから今世では同い年なんだ。
それから、しのぶちゃんは私の後で弱った童磨を倒してくれたらしい。
彼女の命と、引き換えに。
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ハん - 本当に素敵な作品です❣️私涙脆いので泣けてきちゃいました。続きまっってます❗️ (10月18日 20時) (
レス) @page26 id: add9586351 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - このお話大好きです！個性がエルサみたい！かわいい！ (2022年1月13日 18時) (レス) @page2 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！こんなに褒めていただけるだなんて、ものすごくうれしいです。更新頑張ります！ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 1484373297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね！夢主の儚い感じと誰でもやり過ぎなく平等に接している感じが好きです！慕ってくれている人がいるって言うのも素敵だと思いました！更新頑張って下さい！！ (2021年5月4日 18時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - アニオタさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありませんでした……。コメントありがとうございます！私自身、エ○サが大好きですので、そこからオマージュさせていただいたのです。鋭いですね！本日から更新スタートいたしますので、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サブとバラ x他1人 | 作成日時：2019年10月21日 23時
