No.3 ページ3
＊
「出久って、デクって読めるんだぜ!!」
ご飯の用意が出来た、と保護者達から連絡が来たので、テントのある所に戻る途中のことだった。
勝己君が唐突にそう言った。
「かっちゃんすげー、字読めるの!?」
「読めねーの？」
彼に対する賞賛の声に、少し小馬鹿にした態度で彼は返した。
彼からは悪意の雰囲気はしないのだが。
「んで、デクってのは何も出来ねーやつのことなんだぜ!!」
「へぇー！」
「かっちゃんすげー！ 頭ヤベー！」
「やめてよぉ」
恐ろしい、と思った。
悪意を持たずして人を傷付ける。
確かに、出久君は彼より劣っている面はあるし、不器用な部分はある。
しかし、それだけではない。
出久君は、誰よりも思いやりがあって優しい心を持っている。
勇気だってある。
「勝己君、出久君は木偶の坊じゃないよ。出久君は誰かの為に行動出来る、勇気ある人だと私は思う」
「Aちゃん……」
「じゃあおれは!? Aにとっておれはどんなやつだ？」
分かってくれたのかな……？
というか、出久君と張り合ってるの？
勿論、彼にだって良い所は沢山あるから、それを言う。
出久君贔屓している訳ではない、という意味も込めて言った部分も大いにあるのだが。
「勝己君はね……、自分に自信があって私達を導いてくれる強い人、かな？」
「！」
「たしかに！ かっちゃんつよいよね」
「ぴったりだな!!」
「そんな強い勝己君と、優しい出久君がヒーローになれば最強だよね！」
二人はいつかきっと友情の壁ができる。
でも、二人には仲が悪くなってほしくない。それに、二人で力を合わせればきっと何よりも強くなるから。
ずっと、仲良しでいてほしい。
「そんならおれは!?」
「おれも！」
「えっとね……」
出久君が発端で、皆の良い所をそれぞれに伝えてあげた。
自分の気持ちは伝えなきゃ。
伝え終わったところで、皆が口々にこう言い始めた。
「Aはすんげーカワイイよな！」
「やさしいし！」
「頭もヤベー！」
「ぼ、ぼくもそうおもう！」
皆による、私への褒め殺しだ。
頭ヤベーは、きっと勝己君と同じで頭が良いってことで合ってるのかな？
嬉しさで胸いっぱいになった。
「皆、ありがとう！ 一緒にヒーローになろうね！」
出久君だけでなく、皆はとても優しい。
男の子の中で1人だけ女なのに、こうして分け隔てなく仲良くしてくれる。
本当に、嬉しかった。
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ハん - 本当に素敵な作品です❣️私涙脆いので泣けてきちゃいました。続きまっってます❗️ (10月18日 20時) (
レス) @page26 id: add9586351 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - このお話大好きです！個性がエルサみたい！かわいい！ (2022年1月13日 18時) (レス) @page2 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！こんなに褒めていただけるだなんて、ものすごくうれしいです。更新頑張ります！ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 1484373297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね！夢主の儚い感じと誰でもやり過ぎなく平等に接している感じが好きです！慕ってくれている人がいるって言うのも素敵だと思いました！更新頑張って下さい！！ (2021年5月4日 18時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - アニオタさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありませんでした……。コメントありがとうございます！私自身、エ○サが大好きですので、そこからオマージュさせていただいたのです。鋭いですね！本日から更新スタートいたしますので、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サブとバラ x他1人 | 作成日時：2019年10月21日 23時
