No.16 ページ16
＊
「私の個性は、“氷雪”です」
そう言いながら、暴発しないように装着していた両の手袋を外す。
そして、発動する。
「触れたものを凍てつかせるだけでなく、氷や雪を創造できます。思い描いた形や質になるので、結構汎用性がありますよ」
両の手で宙を撫でるように1つの雪の結晶を創り出し、空へ放った。空中で結晶が華咲き、はらはらと小さな雪の粒を降らせる。
まるで、ダイヤモンドダストみたいな。
充分に見せ終えたので、手袋を再び装着する。
「強力な個性なので、普段はこうして手袋を付けているのですが……」
「ほう……」
エンデヴァーは顎に手を当て、何か思案し始めたようだった。
その時、屋敷の戸が開き、中からあの女性と彼……焦凍君が出てきた。
「ありがとな、雪園。……！」
「え、お父さん……？」
「焦凍と冬美か、ちょうどいい。この小娘を道場へ連れて行け」
突然のエンデヴァーの言葉に、呆然と立ち尽くす彼ら。
私ですらよく分からない状況だ。
「早くしろ」
「……何、言ってんだ？」
「そうよ、お父さん。雪園さんはお客様なんだから」
エンデヴァーの急かす言葉に、もっともながら抗議する二人。
お暇させていただきたいのだが。
頷かない二人にしびれを切らしたのか、エンデヴァーが私の腕を掴み強い歩調で進み出した。
「あの、何故……」
「いいからしっかり歩け。……冬美は来るな。焦凍はついてこい」
引っ張られる腕が痛い。
「……悪い、雪園。こうなったらコイツは言うことを聞いてくれない。すぐ帰れるようにするから、ちょっとだけ我慢してくれ」
エンデヴァーについてく彼が、申し訳なさそうに俯きながら言う。
「わかった。私は大丈夫だから、ね？」
「……本当に悪い」
* * *
道場、らしき部屋に辿り着き、ようやくエンデヴァーの手から解放された。
「小娘……雪園といったか、お前には今から俺と手合わせしてもらう」
「!?」
「個性を使え、攻撃しろ。制限時間は10分だ。俺も加減はするが容赦なくやる。……覚悟しておけ」
「っいくらなんでも、それは！」
「黙れ、焦凍。お前は見てろ」
エンデヴァーに一喝され、彼は押し黙ってしまった。
「焦凍君、大丈夫だよ。こう見えても私、結構強いの」
「……断れよ」
「ううん、断らない。だって、相手はエンデヴァーだよ？ プロヒーローになるための修行だと思えばなんてことない」
＊
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ハん - 本当に素敵な作品です❣️私涙脆いので泣けてきちゃいました。続きまっってます❗️ (10月18日 20時) (
レス) @page26 id: add9586351 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - このお話大好きです！個性がエルサみたい！かわいい！ (2022年1月13日 18時) (レス) @page2 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！こんなに褒めていただけるだなんて、ものすごくうれしいです。更新頑張ります！ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 1484373297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね！夢主の儚い感じと誰でもやり過ぎなく平等に接している感じが好きです！慕ってくれている人がいるって言うのも素敵だと思いました！更新頑張って下さい！！ (2021年5月4日 18時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - アニオタさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありませんでした……。コメントありがとうございます！私自身、エ○サが大好きですので、そこからオマージュさせていただいたのです。鋭いですね！本日から更新スタートいたしますので、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サブとバラ x他1人 | 作成日時：2019年10月21日 23時
