No.15 ページ15
＊
「お、雪園！」
「森田先生、どうかなさいましたか？」
「悪いんだが、頼まれてくれないか？」
6月中旬の土曜日、午前。
委員会活動で、休日にもかかわらず学校に来ていた。
活動も終了し、今から帰宅するところを学級担任の森田先生に止められ、頼み事をされた。
「これを轟に届けてくれないか？ お前ら、仲良いだろ」
「確かによく喋る仲ですけれど、私、轟君の住所や連絡先を存じ上げておりません」
「え!? ……あー、住所教えるから」
「……はぁ。わかりました」
「すまん！ ありがとな！」
というように、先生が預かっていた焦凍君のノートを届けてほしいらしい。
自分で届ければいいものを、と思ってしまったが、きっと教師のお仕事は忙しいのだろう。仕方がないと思い、了承する。
先生から、住所の書いたメモと届け物を渡されて学校を発った。
住所通りの場所まで来た。
目の前に構える、私の屋敷のような立派な家屋が、きっと彼の住まい。
確かに、彼にはこういう御屋敷が合う。
友達の家にお邪魔するのは、今世では出久君の家くらいなものだし、前世では仕事が忙しすぎて遊びにいく余裕もなかった。
要するに、緊張している。
意を決してインターフォンを鳴らす。
少し経ってから、屋敷の中から彼に少しばかり似た女性が現れた。
「どちら様ですか？」
「あ、凝山中学の雪園と申します。こちらを轟焦凍さんにと……」
「あら、焦凍のお友達？ わざわざありがとう！ さ、あがって！」
「いえ！ お届けに参っただけですから、どうぞお気遣いなく」
「礼儀正しい子ね、わかったわ！ じゃあ焦凍を呼んでくるからちょっと待ってて！」
「あっ、結構ですか、ら……」
結構だ、と言う途中に急いで中へ入って行ってしまった。
本当に結構なので、このまま帰ろうかとも思ったが、それはそれで失礼に値するので大人しく待つことにした。
「おい、小娘。何の用だ？」
待っている間、裏の側から現れたエンデヴァー……焦凍君の父に話しかけられた。
「凝山中学の雪園です。この度は、轟焦凍さんにお届け物を……」
「ふん、焦凍の知り合いか。……小娘、貴様の個性は何だ？ 俺に見せろ」
用件を伝えれば、個性を教えろと言ってきた。
確かに、彼が嫌いになるのも頷けるほど、人に対しての対応が荒い。
取り敢えず、トラブルが起きてしまっては困るので従うことにした。
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ハん - 本当に素敵な作品です❣️私涙脆いので泣けてきちゃいました。続きまっってます❗️ (10月18日 20時) (
レス) @page26 id: add9586351 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - このお話大好きです！個性がエルサみたい！かわいい！ (2022年1月13日 18時) (レス) @page2 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！こんなに褒めていただけるだなんて、ものすごくうれしいです。更新頑張ります！ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 1484373297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね！夢主の儚い感じと誰でもやり過ぎなく平等に接している感じが好きです！慕ってくれている人がいるって言うのも素敵だと思いました！更新頑張って下さい！！ (2021年5月4日 18時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
サブとバラ(プロフ) - アニオタさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありませんでした……。コメントありがとうございます！私自身、エ○サが大好きですので、そこからオマージュさせていただいたのです。鋭いですね！本日から更新スタートいたしますので、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サブとバラ x他1人 | 作成日時：2019年10月21日 23時
