13 ページ13
「渉、北山の事教えて欲しい。」
「いきなり何?どうしたの?」
あれから俺は、北山の事を全部知りたいと渉を飯に誘った
唐突な質問に渉の箸がぴたりと止まる
「前、渉言ってただろ?北山の事知りたいかって。北山の過去に何があった?」
話を急き立てる俺に、渉は怪訝な顔をしながらもゆっくりと箸を置いて俺に向き直った
「みっちゃんが、何か言ったのか?」
「俺は家族を持つ事は出来ないって…誰も好きにならないって…」
あの時の北山の表情が、目に浮かんでくる
それは今日までずっと、俺の心を締め付けてきた残像だ
「……そう…。」
渉はそう小さく呟いて、考え込むようにテーブルの一点を見つめた
「北山の事知りたいんだ。渉の知ってる事、俺に教えてくれないかな。」
「……知ってどうするの?」
渉の声はいつになく真剣で、俺を真っ直ぐに見つめる目は、真実を探ろうとしてるみたいだった
渉には誤魔化す事は出来ない
俺の想いをちゃんと口にしなければ、北山を守る事なんて出来ない
俺はある種の覚悟を決めて、渉に向かって想いをぶつけた
「北山を守りたい。」
「…守る?」
「多分…北山、泣いてた。誰にもバレない様に必死で我慢しながら…。もし北山がそうやってずっと苦しんで来たなら、俺がその苦しみを少しでも和らげてやりたいって思ったんだ。苦しみを取り除く事は出来なくても、楽しみで包んだり、俺が一緒に苦しみを感じる事で助けられたらって…」
「…」
「俺に出来るか分かんないし、北山はそんな事望んでないかもしれない。それでも…俺は、本当の北山を取り戻したい。」
「……本当のみっちゃん…か…」
渉はそう呟いたまま、じっとまた何かを考えている
俺は話す事は得意な方でもないし、不器用だからちゃんと気持ちが伝わっているのか不安で…
頼む…教えてくれ…
そう祈りながら、ただ渉の事を見つめることしか出来なかった
.
727人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時