第26話 コナンside ページ28
―約10年前―
「姉ちゃん!俺、この前姉ちゃんが言ってた本全部読み終わったんだぜ!これ、すっげぇ面白かった!!他にもなんかオススメの本あったら教えてくれよ!」
俺は姉ちゃんに薦められた本を手にしながら、姉ちゃんに話しかけていた。
でも、姉ちゃんは忙しそうに準備をしていて、いつもとは違う可愛いワンピースを着ていた。
「え?新ちゃん、その本もう読んだの!?はやいじゃない。でも、お姉ちゃん急いでるから本の話は帰ってきたらね!」
そう言って髪をこてで巻いていく姉ちゃん。
あの時の俺は幼く、なんで姉ちゃんがそんなにお洒落してるのかが理解できなかったから聞いた。
学校に行くときはそこまでしねぇのに……
「なんで、そんなにお洒落してるんだ?母さんが外行く時みたいじゃねーか。」
そう言ったら姉ちゃんは誰かを想っているような、そんな顔でこう言った。
「お姉ちゃんの大事な人と遊びに行くからだよ!って新ちゃんにはまだ早いか。」
「女は大事な人と遊びに行く時、お洒落すんのか?」
「うーん、人によるかな。でも、いつか新ちゃんにも分かるよ!女の子は誰でもお洒落して可愛いって思われたいの!」
「ふーん。」
俺は今いち意味がよくわからなかったが、その内分かるだろうと思ったため、深くは考えなかった。
「じゃあ、お姉ちゃん言ってくるね!今日は帰り少し遅くなるってママに言っておいてね!それじゃ、いってきまーす!」
「お、おう。」
俺はそう言って出ていく姉ちゃんを見送った。
そして、これが記憶を無くす前の姉ちゃんとした最後の会話だった。
次に姉ちゃんに会った時は、俺の事を覚えていなくて、母さんや親父のことも覚えていなかった。
当たり前だが、あの時教えてもらうはずだったオススメの本は未だに教えて貰っていない。
そして、その時俺は幼いながらに決意した。
姉ちゃんが記憶を取り戻すまでは俺が姉ちゃんのことを守ろうと、そう思ったのだった。
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ユラ(プロフ) - もりさんさん» ありがとうございますー!!めっちゃ嬉しいです。これからも更新頑張ります! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください! (2020年3月25日 22時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - ちびきゅうさん» ありがとうございます!!仕方ないとは分かっていても辛いです…ちびきゅうさんも体調には気をつけてください!北海道かなり感染してるので…これからも更新頑張ります!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - 作品読ませて頂きました!私も作者様と同じく北海道住みで臨時休校になりました。せっかくの休みなのに外出できないのは辛いですよね...体調に気をつけてこれからも更新頑張ってください! (2020年3月2日 2時) (レス) id: c6bc8574cb (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - 零さん» 沖縄…1回も行ったことないので行ってみたいです!学級閉鎖と重なって休みになるのは大変そうですね…。作者は耐えられない気がします笑 ありがとうございます!大好きって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しいですー!!更新頑張ります!零さんも体調にはお気を付けて! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユラ | 作成日時:2020年1月13日 21時