101話 ページ14
カツン、カツン
ばらばらな足音が響き渡る。私が彼らを認識できるのはその音だけだ。
微かな光はぽっぽっと灯っているものの、私には一歩先も見えない。青江や太郎太刀が果たしてこの先を見通せているのかも、分からない。
「待った！」
「青江、殿？」
「……空が、見えるかい？星は、」
彼の言葉に沿って、立ち止まって空を見上げた。
瞬間、ぞっとした。
空が見えない。見えるはずの星も、月も、見えない。すべてが黒く染まったその空間は、明らかにこの世のものではない。
……これは。幽霊なんて生易しいものではない。
なぜ、今まで、気づかなかったのだろう！
「……
「妖……それは随分前に姿を消したはずだろう？何故、今この瞬間に、こんなにも沢山」
青江の言葉に呼応するかのように、ぼうと青い光が浮き上がった。次々と灯っていくその光は、宿っている身体を内側から照らす。恐ろしいことに、私は彼らに見覚えがあった。
「歴史、修正主義者……検非違使も混ざっているのか？それならば、幽霊というのは……！」
「ああ、間違いない。妖を宿した、歴史修正主義者。それが幽霊の正体だよ」
「……神の理をあらかた、無視することが出来るのですね」
太郎太刀の言葉はもっともだ。妖はとにかく性質が悪い。自我のない妖に宿られて、いや乗っ取られていたからこそ、彼らも幽霊のようにさ迷うだけとなっていたのだ。青い光は、今や360度全てを覆っていた。何人いるのだろう。数えきれない。
一体、これだけの数の"幽霊"を作り出して、何をする気だったのか？気になるな……いや、今はそれどころではないか。
「ふう……まずいな」
「これだけ囲まれることも、なかなかないからね。君は随分余裕そうだけど」
「そう見えるならば僥倖だ、青江さん。しかし……この状況では、太郎太刀さんにも戦ってもらわざるを得ない」
「初陣ですが、今はまるで昼のように明るくなりましたから、先程よりは戦えるかと」
一度組み敷かれれば絶体絶命。特に青江は本霊だから、折れれば審神者達のにっかり青江が消失してしまうかもしれない。
それでも此処から逃げる方法は浮かばなかった。妖の敷地に自ら飛び込んだからには、攻めきるしかない。
考えるのはそれからだ。
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小生(プロフ) - 久しぶりにこのサイトを覗かせてもらい、こちらの作品の新しい話を読むことができてとても嬉しかったです！これからも応援しております！ (2021年10月7日 21時) (
レス) @page25 id: 622fb3de14 (このIDを非表示/違反報告)
こばひな(プロフ) - アヅマさん» 頑張ってください！！応援してます！！！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: 36295a5c6d (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - こばひなさん» コメントありがとうございます。当方忙しく更新が滞っていて申し訳ないです…。とにかく完結までは走り続けるので、店主の活躍を温かく見守って頂けると嬉しいです！ (2019年5月9日 1時) (レス) id: 7a303d5d51 (このIDを非表示/違反報告)
こばひな(プロフ) - この続きが気になります 続きをつくってもらえたらうれしいです (2019年5月6日 15時) (レス) id: 36295a5c6d (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - 雪音さん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けたようでうれしいです！時にリクエストとはどのようなリクエストでしょうか…？まずそれをお聞きしておきたいと思います。お願い致します。 (2019年4月6日 0時) (レス) id: 7a303d5d51 (このIDを非表示/違反報告)
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