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2つの面 ページ3

俺の姉は、一言で言うと「変わっている」
どこらへんが?と聞かれたら、「全体的に」


例えば、普段は食事は俺に任せているのに、急に「私がつくる!」なでと言って作り始めたり、
「今日なんか調子良いかも!」といきなり外に出てランニングをしてきて、
気付けばリビングの床で寝ていたり……。

床で寝られるのは俺からすれば迷惑極まりないのだが、腹が立つことに、料理の腕は確かなものがある。


なら姉さんが作ってくれと思うのだが、姉さん曰く「シュウ君の手料理が食べたい」そうだ。

流石自他共に認めるブラコン。


色々と問題はあるが、やはり姉さんも高校生。
ふとした瞬間にさりげない気遣いを感じる事がある。

家の中での腑抜けた様子しか知らない俺からすればとても信じられないのだが、
学校ではそれなりの優等生で通っている上、生徒会役員も務めているらしい。



「生徒会選挙通ったー」と聞いたときは、姉さんが役員になれるとかどんな学校だとか思ったりもしたが、
外に出掛けるとたまに、姉さんの知り合いであろう人物に


「あ、Aちゃんの弟君だ〜」
声をかけられ、

「Aちゃん、やっぱ家でもしっかりしてるの?」
家での姉さんの様子を聞かれたり、

「君のお姉さんには中学で、本当にお世話になったの。宜しく伝えといてくれるかな?」
伝言を頼まれたり、

「あ!噂の弟君!Aちゃんから色々聞いてるよ〜。ブラコン姉ちゃんのお世話頑張ってね!」
挙げ句の果てに俺の話をしている事を聞かされたり。

いくつか突っ込みたい事もあるが、話の端々から見える姉さんの人望、憧憬。

どれだけ聞いても実感ができないのだが、学校で頑張っている分家では反動が出ているのかもしれない。


裏を返せば、それは家が、俺といる空間が、姉さんにとって気を抜ける場所であるということで。


そう考えると、姉さんに構ってしまう。放置ができない。




「ただいまー、疲れたー」



なんやかんや言って、俺は姉さんが好きなのかもしれない。



((やっぱり絶品だね、シュウ君のナポリタン))

((姉さんの方が美味い))

((そんな可愛いこと言うシュウ君に、姉さん特製肉じゃが!はい、あーん))

((ナポリタンに肉じゃが……。…………ん、美味い))

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つぶやき星のつぶやき女 - これが届いているのかわからないけど、とても面白かったです。もっと見たいです。このシリーズだいすきです。ベイブレードは私の中でまだまだ流行中です! (2020年7月25日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魅紅 | 作成日時:2017年12月28日 9時

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