降霊術なんてやるもんじゃないわ。10 ページ10
ここはどこだろう
意識がふわふわしてよく分からない
誰かが私を持ち上げて、運んでいるのはわかる
でもなんでだろ
やっぱり息ができない
水の中じゃないはずなんだけどね、
おかしいね
え、しかも、なんか女の子いる。
『.....どうしたの?なにしてんの?』
声をかけるとゆっくりと振り向いた。
腰まで伸びた髪はサラサラで、凄く綺麗。
なのに
顔は青白くて目は虚。底なしの沼みたい。
『え、どした?パパとママは?』
首を横に振る。迷子かや?
『迷子?』
そう聞くと手を握られる。返事くらいせえよ。
女の子は、遠くの方を指差して、私の目を見つめてくる。
まるでついて来いとでも言うように。
『あっち?あっちに行くの?』
女の子に手を引かれるまま歩き出す。
愛想悪いなあこの子。
しばらく行くと鳥居が見えてきた。
女の子が鳥居をくぐる。
向こう側で私を手招きしている。
でも少し、怖い。
この鳥居を超えたらもう戻れない気がして、
.
....待って、どこに?
誰の所に戻るんだっけ.....?
ん?私今まで何してたっけ?
確か気付いたらここにいて.....
その前は..えっと....
.
《みく目開けて...?》
《....っ俺が》
《____、そんな自分責めないで。きっとみくちゃんすぐ起きるよ?だって彼氏がこんなポンコツじゃあさぁ、》
《____!氷取ってきて‼違う、そこじゃなくて!えぇい!もういい!わしが行く!》
《てつや、そんな焦んなって。みく、起きろ?俺来てやったぞ?まぁ元は俺が悪りぃんだけどさ...》
《おーい、お前の大好きな大好きなカワグチ様が来たぞ》
!!!
今なんか聞こえた!
なんかって言うかめっちゃ聞こえた!
騒がしい!何人おるん⁉←
でも多分、この声の人達の所に戻んなきゃいけない。
そんな気がする。なんとなく。
私は鳥居に背を向けて、声のする方へ走り出した。
聞こえないふりをした。
後ろからする、つんざくような悲鳴は。
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作者名:みちあ | 作成日時:2017年8月1日 16時