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降霊術なんてやるもんじゃないわ。9 ページ9

『りょうくん...ざわくん....いるよね...?』




何も返事が返ってこない。



手元のカメラの「ウィーン」という機械音だけが虚しく響く。


てつやの家がかつてこれほどまでに静かだったことがあったのだろうか。それほどに物音がしない。





もしかしてもう二人とも....ううんやめよう、こんな事を考えるのは。


もう少し家を探して、それからだ。


きっとまだりょうくん達はいる。


頭の良い理系コンビだ、きっとすごく難しい所にいるんだ。
きっとそうだ。



____________
___
_






結局家を何周もしたけど誰もいなかった。

誰もいなかったんだ、マキチャンも


みんな、も。




『なんでっ...?』



こんなゲーム誰が考えたの?


なんでまほっちゃんは私達にこれを送ったの?


そもそも、てっちゃんが始めようなんて言ったからこんなことになってるんでしょ?



恐怖で固まっていた思考が、恐怖でグルグルと回り出せば、どれだけマイナスになろうと止められない。止められないんだ、私一人では。




誰かが止めればよかったんだ


てっちゃんを殴ってでも止めればよかった


あの時私が、私がもっと反対していれば

そうしたらゲームを始めずに済んだかもしれない




あの時私が止めてれば


あの時私がてっちゃんからスマホを取り上げれば


そしたら今もみんなで笑ってたのかもしれない




どこからか足音が近づいてくる


逃げなきゃ、逃げなきゃいけない。


頭では分かってるのに





呼吸が


足が


思うように動かない



結局

冷たいフローリングとこんにちはする直前に



私の意識は絶えた。





「みく...!」



誰かが呼んだ気がするけど、気のせいだ。


だってもう、誰もいないんだから。

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作者名:みちあ | 作成日時:2017年8月1日 16時

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