第21 ページ24
両手を広げる乱歩
両目を見開く私
まさか私の来る時間を予測して＿
「待ち伏せしてた甲斐があったよ！あ、駄菓子ありがとうね！さあさ此方おいで！」
私の抱えて居た紙袋を取り上げると、空いた手を握ってオフィスの奥へと連れて行く
やけに声の調子が高い
その様子を見た太宰は「仲良しですね」と態とらしく微笑んだ
完全に皮肉だ
手を引く力の強さに驚きながら、久々の探偵社に目を向ける
机上にある物こそ変わって居るが、根本的な配置は変わって居ない
目新しいといえば、空き机だった所が誰かの持ち場になっている事くらいだった
他の社員は仕事に出払っているのだろうか、太宰と乱歩以外には人の気配が無い
乱歩の机の位置も変わらず、その上に電話以外の物が無いことから、相変わらず事件解決の仕事ばかりらしい事も伺える
乱歩は自分の席に座ると、早速と言いたげに紙袋の中身を机上にぶちまけた
飴玉が落ちそうになったが、なんとかそれを拾い上げる
こうして見ると、駄菓子一つとってこれだけの種類があるのだなと感嘆する
しかしそんな私の感慨も虚しく、駄菓子達はたちまち封を開けられ乱歩の口の中へと消えていった
「食べる？」
乱歩から棒状の駄菓子を差し出される
包装紙には『チーズ味』と書かれている
生憎チーズは好きじゃ無い
「私は良いよ。それより、何で呼んだわけ？」
「おお、そうだったそうだった！」
食べかけのグミ菓子を机に置くと、ひょっこりと机から身を降ろした
動作がやけに子供じみている
そして部屋の中心に行くと、懐から年季の入った懐中時計を取り出した
「5秒、ってところかな？」
「は？」
5秒？
咄嗟に某ソーシャルゲームが5秒を売りにしているのを思い出したが、関係無いと頭から追い出す
乱歩が此方を振り向くと同時に、入り口の向こうで何かが鳴ったような気がした
乱歩は面白い事が起きる前のように笑うと、手を入り口に向けながら言った
「合わせたい子が居るんだ」
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赤井司(�洩襦��瑛�) - イラスト凄い！ (2018年3月6日 18時) (
レス) id: 32189bcc43 (このIDを非表示/違反報告)
文拡月(プロフ) - とても面白い作品に出会えて幸せです！今さらなのですが、お疲れ様でした。作品を完結させるのは大変なことなので、尊敬します！ (2017年8月14日 17時) (レス) id: f10ef5b597 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - お疲れ様でした(今頃)太宰さんバージョンも…みたい…なぁ…？ (2017年7月10日 18時) (レス) id: 8973e64cc8 (このIDを非表示/違反報告)
読む専門の人 - 質問に答えていただきありがとうございました。 (2016年12月25日 4時) (レス) id: 256838e740 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 察したのか。私だと察したのか、脳内に直接語りかけただけで。(続編or新作希望早く出せや) (2016年12月24日 1時) (レス) id: 215c2b096b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來麦 | 作成日時：2016年6月14日 6時
