. ページ10
「あぁ〜君が噂のAちゃんね」
『噂？』
「ヒョンジナから聞いてるよ」
「俺はミンホ。みんなからはリノって呼ばれてる。ここの店長やってるよ」
最初にヒョンジンさんが声をかけたのはどうやら店長さんだったらしい。その後ろから、俺も自己紹介する！と、リスみたいな顔をした人がやってきた。
「俺はハンジソン！普通に店員だよ〜。ハニでもジソンでも好きに呼んでね！」
「ハニ、Aさんは僕たちより年下だよ」
「え、そうなの？じゃあオッパだ！」
明るく自己紹介をした彼は、ハンさんというらしい。ヒョンジンさんの言った感じだと、私よりも歳上なのかな？
「ハニは僕と同じ20歳なんだ。リノヒョンは2個上の22歳だよ」
「Aちゃんはいくつ？」
『19歳です。今は大学生やってます』
「あれ、じゃあイエニと一緒じゃない？」
ハンさんの口から聞き覚えのある名前が出てきた。え、人違い？でもそういえば、さっきお店に入ったときに聞こえた、いらっしゃいませの声。知ってる気がした。もしかして…。
「イエナァ〜！出てこーい」
「はーい！」
厨房らしい奥から、目が細くキツネっぽいめちゃくちゃ知ってる人がやってきた。
「なんですかハニヒョ………は？A？」
『やっぱりイエニじゃん！』
「やっぱりって、え、何でここに？」
状況が飲めていないのか、いつもは細い目が大きく開かれている。今までずっとバイト先を秘密にしていたけど、ここで働いてたから言えなかったのか。
「え、二人とも知り合いなの？」
『同じ大学で、仲が良いんです』
「や〜イエナ〜。友達ならもっと早く連れてくれば良かったのに〜」
「友達だから嫌なんですよ…恥ずかしい…」
『何を今更』
イエニは、バレたんなら仕方ないか…と開き直ったようで厨房へ戻っていった。イエニ料理できたんだ。
というか今気づいたけど、このカフェ全体的なビジュが高すぎる。各王国の王子を集めたような、系統の違うイケメン勢揃いだ。私だいぶ場違いな気がしてきた。
「まぁとりあえず二人とも座りな。こっちでなんか作ってくるから」
『メニューとかないんですか？』
「うちはメニュー表がない、その日やその人へのおすすめを提供するシステム。だからお客も増えすぎないようにしてる」
システムの説明をされて、お店のコンセプトに納得した。
こんなに自分の好みに刺さるカフェもなかなか無い。ゆっくり満喫しよう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MICKEY | 作成日時：2024年2月23日 16時
