Fairy Tale【Hyunjin】 (ページ8)

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連絡先を交換してから2週間。お互い都合のつく日が見つかったので、カフェへ行く約束をした。
それまで服とか見た目とか出来ることをしておこうと思った。

時が経つのは早い。もう約束の日。

3日前から悩んで決めたワンピース。スカートの裾には花柄になっていて、首元もレースで飾られている。
露出が高すぎず、堅すぎもしないシルエット。行く場所を考えても、ちょうどいい。

ファン・ヒョンジン集合はいつもの公園でいい?
Aはい!もうすぐ行きますね
ファン・ヒョンジンゆっくりで大丈夫だよ。気をつけてね

今日は目一杯おしゃれしているから、どんな反応をしてくれるか楽しみでもある。ワクワクを胸に、仕上げのピアスを付けて、全身鏡の前で一回転した。

『すみません、お待たせしました！』

「大丈夫だよ…」

公園に着き、いつものベンチに座る彼のもとへ走る。私の姿を見るなり何も言わないので、なんか変になっていないか不安になってきた。

『あの…何か変でしたか？』

「あ、いやそうじゃなくて、その格好…」

『…ちょっと、いつもよりおしゃれしてきちゃいました』

何自分で言ってんだか。こんなこと言ったら嫌でも相手は褒めてくれるだろう。気合を入れたとはいえ、わざわざ口に出すことじゃないって分かってたのに。

「……僕と一緒に行くから、ってことでいい？」

『え？』

「普段よりおしゃれしてくれたんでしょ？こうやって会うためなのかなって…なんか、言ってて恥ずかしいねこれ」

そう言って俯いてしまったので、思わず大きな声で、そうです！と言ってしまった。すると彼は顔をあげ、切れ長な目を優しく細めて笑った。

「だったらすごい嬉しいな。僕とのデート、楽しみにしててくれたんだ。」

彼の口から紡がれた「デート」の言葉にどきっとしてしまう。自分もそのつもりでいたけど、改めて本人の口から聞くと夢がより現実になっていく。

「じゃあ行こっか。カフェの皆んなには伝えてあるから。」

『はい！行きましょう』

立ち上がった彼の隣に並び、一緒に歩き始めた。彼は私の方をじっと見ていた。

『なんですか？』

「いつものAさんは可愛いって感じだけど、今日は特別に綺麗で、ユリの花みたいだね。似合ってるよ」

可愛い、綺麗。言葉を理解した途端に顔が熱い。……きっと、季節外れの春一番のせいだ。そう思うことにした。