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大量のお皿を洗いながら、ぼーっと昨日のデートを思い出す。
今日は大学のあと、バイトをするため焼肉屋さんに居る。しかしあまり仕事が手につかなかった。
「どうしたの？手が止まってるよ？」
『あっ、ごめんごめん』
フィリックスに声をかけられ、右手のスポンジが全く動いてなかったことに気がついた。
また動かし始めるも、やっぱりまた考えてしまう。恋とは厄介なものだ。いつも通り振る舞うことができなくなる。
「………Aー？」
『あっ、ごめんごめ…』
「それさっきも言ってた…何か嫌なことでもあった？」
『んー、そんな感じではない』
リクスは優しいから、いつも周りの人のことを気にかけてくれる。恋愛でも何でも、彼なら良き相談相手となってくれるかも。
『リクス、バイト終わりさ、ちょっと相談したいことあるんだけど良い？』
「もちろん！じゃあそれまで仕事頑張ろうね」
『はーい』
バイト終了時間になり、スタッフルームで制服から私服に着替える。フィリックスとはシフトがちょっとずれていて、彼は終わる時間が30分遅い。そのため、近くのカフェで待つことにした。
カフェの4人席で、いつも頼むハニーラテを飲みながら話したいことを整理しておく。
リクスは年齢的には歳上なのだが、焼肉屋さんのバイトは私のほうが長く、彼も敬語を使うことを断ったのでこうやってタメ口で話している。一緒に話しているとだんだん女子会っぽくなるんだよな。なんでだろう。可愛いからか。
「ごめんAお待たせー」
『大丈夫ー…って、ビニ先輩？』
「やー、何だその顔は！」
何故かチャンビン先輩まで着いてきた。そういえば今日の先輩のシフト、リクスと一緒だったな…。
別に嫌いな訳では無い。というかむしろ好意的だ。いつも場を盛り上げてくれるし、仕事もテキパキしている。
ただ、うるさい。騒がしい。あと仕事以外のアドバイスはあまり当てにならないところがある。
「ごめんね、ヒョンもAが心配だったんだって」
『しょうがない、リクスが謝ることじゃないよ』
「しょうがないってなんだよー」
ぶーぶー言うビニ先輩は、リクスと一緒に向かい側の2席へ座った。リクスはホットココア、ビニ先輩はコーヒーを頼んだ。ドリンクが運ばれてきて3人で軽く談笑をしたあと、リクスが真剣な顔をして本題に入った。
「で、A。相談したいことって？」
「俺らには何でも言って！協力する」
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作者名：MICKEY | 作成日時：2024年2月23日 16時
