検索窓
今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:57,115 hit

12 ページ12

向きを変えて歩き出していた俺だけど、こんな敵前逃亡なんてしちゃダメだ!
ちゃんと向き合わなきゃ!


振り返ると少し困惑したようなイケメンさんがいた。
まだ、いてくれてるようだし・・・


俺はもう一度身体の向きを変えて、イケメンさんの方へ歩いていく。


「あの!」


「ここじゃなんだから・・・上がって」


うわっ、顔が綺麗で背が高いだけじゃなくて声までイケメンですけど!
なんなんだ!!
世の中にこんな人がいていいわけ?
・・・そりゃユウさんの恋人だもんな・・・
一緒に住んでる所に上がり込むなんて、そんなこと出来ない・・・
でも玄関先であーだこーだするより、中に入った方がいいだろう。


靴を脱いで上がって、勧められるままソファに座ってみたものの・・・
緊張して落ち着かない。


「はい、とりあえずお茶でいい?」


出されたお茶を飲まないわけにもいかず。
ふぅー、ふぅー、と冷ましてから口をつける。
いつもなら日本茶でほっとするはずなのに、自分の心臓の鼓動が聞こえている時点で緊張がピークに来ているように感じる。


「あの!」


顔を上げたイケメンの目を見ながらなんて話せない。
俯いたままでしか話出せない俺。
なんかもう、やっぱりあの時点で帰るのが正解だった・・・


「こ、これ・・・ユウさんから・・・借りてたから・・・」


「わざわざ今日持ってきてくれたの?」


「あ、あなたが・・・いるなんて・・・知らなくて・・・」


「え?」


「か、彼氏さんと・・・一緒に住んでるの・・・知らなくて・・・」


「は?」


ユウさんはこの人と一緒にいて幸せなんだよな・・・
だから一緒に住んでるし、もしかしたらこのジャケットは共用なのかもしれない。
渡すものも渡せたし、さっさと帰った方がいい。



でも・・・



『凄い!宏光君、飲み込み早いね』


『へぇ、今の高校生ってそんなこと流行ってるんだ』


『宏光君、毎日楽しい?』


勉強を教えてもらってる時の、優しい眼差しに微笑み。
勉強を教えてもらう合間のたわいない会話。
どれもこれも楽しかったし、もっともっとユウさんこと知りたいって思った。
近づきたいって思った。



『何があっても譲れないって思ったら、絶対諦めるなよ』




秀明・・・俺、やっぱり諦めたくないよ。

13→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (248 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
247人がお気に入り
設定タグ:玉北 , 北山宏光 , 玉森裕太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

WHITE(プロフ) - まちゅみさん» まちゅみさん☆今回も良かったと言って頂けて嬉しいです♪盛大な勘違いと純情すぎるみっくん、可愛いですよね!そしてあの言葉、一緒に言って頂けるなんて(笑)ありがとうございます。次回も頑張ります(*^^*) (2017年11月26日 22時) (レス) id: 6606f9fb9a (このIDを非表示/違反報告)
まちゅみ - いやー、今回も玉北良かったですよー!ホント、なんでみっくんはこんなに、やだ!もう!可愛い!んでしょうね!!次作も楽しみにしています(*´▽`*) (2017年11月26日 21時) (レス) id: 20cae02adc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:WHITE | 作成日時:2017年11月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。