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向きを変えて歩き出していた俺だけど、こんな敵前逃亡なんてしちゃダメだ!
ちゃんと向き合わなきゃ!
振り返ると少し困惑したようなイケメンさんがいた。
まだ、いてくれてるようだし・・・
俺はもう一度身体の向きを変えて、イケメンさんの方へ歩いていく。
「あの!」
「ここじゃなんだから・・・上がって」
うわっ、顔が綺麗で背が高いだけじゃなくて声までイケメンですけど!
なんなんだ!!
世の中にこんな人がいていいわけ?
・・・そりゃユウさんの恋人だもんな・・・
一緒に住んでる所に上がり込むなんて、そんなこと出来ない・・・
でも玄関先であーだこーだするより、中に入った方がいいだろう。
靴を脱いで上がって、勧められるままソファに座ってみたものの・・・
緊張して落ち着かない。
「はい、とりあえずお茶でいい?」
出されたお茶を飲まないわけにもいかず。
ふぅー、ふぅー、と冷ましてから口をつける。
いつもなら日本茶でほっとするはずなのに、自分の心臓の鼓動が聞こえている時点で緊張がピークに来ているように感じる。
「あの!」
顔を上げたイケメンの目を見ながらなんて話せない。
俯いたままでしか話出せない俺。
なんかもう、やっぱりあの時点で帰るのが正解だった・・・
「こ、これ・・・ユウさんから・・・借りてたから・・・」
「わざわざ今日持ってきてくれたの?」
「あ、あなたが・・・いるなんて・・・知らなくて・・・」
「え?」
「か、彼氏さんと・・・一緒に住んでるの・・・知らなくて・・・」
「は?」
ユウさんはこの人と一緒にいて幸せなんだよな・・・
だから一緒に住んでるし、もしかしたらこのジャケットは共用なのかもしれない。
渡すものも渡せたし、さっさと帰った方がいい。
でも・・・
『凄い!宏光君、飲み込み早いね』
『へぇ、今の高校生ってそんなこと流行ってるんだ』
『宏光君、毎日楽しい?』
勉強を教えてもらってる時の、優しい眼差しに微笑み。
勉強を教えてもらう合間のたわいない会話。
どれもこれも楽しかったし、もっともっとユウさんこと知りたいって思った。
近づきたいって思った。
『何があっても譲れないって思ったら、絶対諦めるなよ』
秀明・・・俺、やっぱり諦めたくないよ。
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WHITE(プロフ) - まちゅみさん» まちゅみさん☆今回も良かったと言って頂けて嬉しいです♪盛大な勘違いと純情すぎるみっくん、可愛いですよね!そしてあの言葉、一緒に言って頂けるなんて(笑)ありがとうございます。次回も頑張ります(*^^*) (2017年11月26日 22時) (レス) id: 6606f9fb9a (このIDを非表示/違反報告)
まちゅみ - いやー、今回も玉北良かったですよー!ホント、なんでみっくんはこんなに、やだ!もう!可愛い!んでしょうね!!次作も楽しみにしています(*´▽`*) (2017年11月26日 21時) (レス) id: 20cae02adc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:WHITE | 作成日時:2017年11月24日 22時