46話 ページ47
『包丁様ー！』ﾀｯﾀｯﾀｯ
探し始めてから40分、本丸は全部回ったがどこにもいなかった。襖の中、全ての部屋、蔵の中、馬小屋、稽古場、あらゆる所を探した。
すれ違った刀剣に聞いても、誰も見てないと言う。流石に不安になり、Aは焦り始めた。
本丸の中に居ないということは外だろうか。そう思い、本丸から離れたところにある山を探すことにした。
その山は、普段山伏が修行によく行っている所なので危険は特にないはず。道が少し険しいだけ。
『そうだ、霊力感じられたりするのかな？』
ここに来てから少しこんのすけに鍛えてもらった霊力の使い方を思い出し、試してみることにした。
山の麓まで来て、目を閉じ、意識を集中させた。鳥の鳴き声、風の吹く音、川の流れる音…。
惑わされないよう、1本の糸を探した。
『……！！これ、』
ほんの少しだが包丁の霊力を感じたAは集中力が切れないよう、慎重に見つけた糸を辿って歩き出した。
最初は普通の山道だったが、途中からルートが獣道へ入り、段々と道が険しくなってきた。
そして、今Aの目の前にあるのは崖。この崖の下から気配を感じた。
『まさか…ほ、包丁様！！いらっしゃいましたら返事を！！！』
包「主！！！ここ！ここにいるよ！！！」
崖の下にある岩の後ろから、包丁が出てきた。かすり傷などがあって、少しボロボロだが異常はない。
だが、傷だらけの包丁を見て、Aは焦った。それはそうだろう。今までこんな沢山怪我してない子がいきなりボロボロな姿になって出てきら、誰だって焦る。
『包丁様！そこで待っててください！！すぐ助けに行きます！！』
救援を呼んだ方が良いだろうとも思ったが、傷だらけの包丁を1人にしておくのは無理だと判断し、1人で助けることにした。
下へ続く道はないかと急いで周りを見渡したが、帰りの一本道しかそこにはなかった。
『(っやった事ないけど…これしかないよね)包丁様！少し危ないですので下がっててください！』
包「え、あ、主！？！？」
崖はほぼ垂直。高さは7mくらい。落ちて打ちどころが悪けりゃ死ぬかもしれない。
Aは少し震えながらも、足を下ろし、ゆっくりと崖を伝って降りていった。
『っよし！』
たったの数分が何時間のように思えた。こんな怖い体験、二度と味わいたくないだろう。
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めい(プロフ) - 咲夢.*?さん» いえいえ♪私も書いてみたかったですし！本当に見てくれてありがとうございます！ﾍﾟｺｯ (2020年5月29日 14時) (
レス) id: 7a0111daa8 (このIDを非表示/違反報告)
咲夢.*?(プロフ) - わーっ！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 早速！ありがとうごさいますっ！これも最後まで応援してますっ！頑張ってください。 (2020年5月29日 11時) (レス) id: a5a2370069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年5月29日 7時
