Ｎ_繋がり07 ページ15
nomura side
「おおきに、いつもありがとう」
店のご主人に伝票を渡すと、レジをうちながら
「野村くん、未来の嫁さんか？」
劇場の隣という場所柄、芸人に詳しいご主人は
俺の名前も知ってくれていて。
外に視線をやりながら聞いてきた。
『いやー、そんなちゃいますよ』
バカ正直に答えたら、奥さんもやってきて
「ええコそうやん！
あのコは絶っ対、逃したらあかんで」
と忠告？してきた。
「わたし分かんのよ。
あんたにはあのコ合うてるわ」
思わぬ断言に頬を緩めつつ、さっきの封筒を
ポケットにねじ込み、財布から支払った。
店を出ると、待ってたAちゃんは
「ありがとうございました。すみません、
またご馳走になってしまって・・・」
申し訳なさそうに言ってくるから、
『女のコには出さされへんよ』
そう言うと照れたような表情を見せた。
「じゃ・・・そろそろ...。次の回もほんまは
見たかったんですけど・・・」
『ほんなら大阪でも良かったら来て？むしろ
大阪の方がメインやし。また出番・・・とか
連絡、するし』
連絡なんて普段から、あんまりせぇへんのに。
『また洲崎にも言うとくし、また・・・』
勝手に洲崎という保険も使う。
『気を付けて』
お辞儀をして歩きだすAちゃんを見送る。
曲がり角の手前で振り向いたから、左手を
上げると、Aちゃんは軽く頭をさげ、
低い位置で小さく手をふった。
・・・。
あかんわ、ちょ、・・・可愛いわ。
Aちゃんの姿が見えなくなった時、
「のーむちゃーん♪」
『うわぁぁぁあぁ！！』
盛山さんとリリーさんがすぐ後ろにいた。
「ちょーのむちゃん、あのコ誰？」
「小さくバイバイってあの振り方の破壊力！」
「ハンパない！」
「彼女か？聞いてへんで」
「めっちゃ可愛いわ、紹介して」
次の出番まで、ふたりに質問攻めされた。
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MI(プロフ) - star1020様＿コメントいただけるなんて思っておらず、お礼が遅くなりすみません。ありがとうございました。 (2021年1月4日 21時) (
レス) id: 77b68ede4f (このIDを非表示/違反報告)
star1020(プロフ) - 完結おめでとうございます。とてもステキな物語でした。 (2020年11月22日 9時) (レス) id: 16a671a453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kimi | 作成日時：2020年8月16日 12時
