幸せを知らない少女 (ページ15)

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A目線

「私じゃダメですか？」

そう聞こえた

百の声で

もう戻れないそう思った

私の最後の足掻き

ずるいって言われるかもしれない

それでもいい

これで最後だから

ヒーローとして生きるのは

でも少しだけ期待してもいいかな

好きなら助けてよ焦凍

ここでなくてもいい

いつか私を救ってくれるでしょ？

信じてるから

ガラガラ

「時矢さん？」

これが最後の私の掛け

窓辺に腰掛け振り返る

そろそろ焦凍が出てくるくらい

もう少し

もう一度振り返り

校庭を歩く焦凍

「救って」

そう呟いて私は倒れる

「きゃぁーーーーーーーーーーー！！！」

その耳に響く百の声と共に聞こえた

「A！！！！！！」

気づいてくれた

さよなら

待ってるよ

黒霧に飛び込む

「やっと来たのねA」

「もう嫌になっちゃった」

「ふーん」

「ねえ蓮」

「あなたは私の過去を知ってるの？」
私が轟家の人なのかそうじゃないのか

「どうだろうね」
きっと知ってる

「後悔してる？ヴィランになったこと」
ヴィランでも姉だから

「してない」

「だって楽しいもん」
救いようがないけど

「絶望した顔」

「私を見捨てたエンデヴァーに仕返しが出来るんだもの」

「貴方の顔も見たかったけど」

「エンデヴァーだけでいいや」

「焦凍にはしないでよ」

「え？」

「こっちに来たからにはそれぐらい覚悟してくれないと」

「私のためだから」

「自己中でごめん」
私のため

「それが私」

「つまらないヒーロー」

「まだヒーロー」

そうまだヒーローレイ